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ニュージーランド・オークランドのデボンポート沖で、野生のシャチに「体当たり」をした人物に罰金が科せられた。

自然保護官は、嫌がらせ行為について、「恐ろしい結果を招いていた可能性があります」と警告している。

2月にインスタグラムに投稿された動画には、ボートに乗っていた人物が、海の中にいたシャチの親子めがけて腹部から飛び込む様子が映っていた。

この人物は、水中に入った後に泳いでシャチを追いかけまわし「触った!」と叫んでいる。周りにいた人たちも声援を送っている。 

【動画】ボートから海に飛び込み、シャチめがけて体当たりする様子

ニュージーランド自然保護局は5月21日、シャチに体当たりをしたオークランド在住の50歳の人物に、600ニュージーランドドル(約5万7000円)の罰金を科したと発表した。 

自然保護局のヘイデン・ローパー氏は、体当たりや追いかける行為について「愚かで、シャチの健康や福祉をまったく無視している。非常に無責任だ」と非難している。

「シャチは非常に力の強い生き物であり、恐ろしい結果を招いていた可能性があります。驚いたシャチが怪我をするか、男性が怒ったシャチに襲われていた可能性もあるのです」

今回は、人間にもシャチにも怪我はなかったと見られている。しかし自然保護局海洋技術アドバイザーのハンナ・ヘンドリクス氏は、たとえ体を傷つけていなくても、今回のような行為がシャチに悪影響を及ぼすことがあるとガーディアンに述べている。

「群れと触れようとすることで、休息や食事、交流などを妨害し、生存と繁殖に長期的な影響を与える可能性があります。また、妨害が繰り返されれば、その場所を避けるようになるかもしれません」

ヘンドリクス氏によると、子どものシャチが親から引き離され、食事ができずに死んでしまう場合もある。

600ニュージーランドドルの罰金に対して「刑が軽すぎる」という声もあったが、自然保護局は、この人物には過去の違反歴がなく、シャチにも大きな危害が生じなかったため、違反通知の発行にとどまったとFacebookで説明している。

ただし、自然保護局によると海洋哺乳類への「嫌がらせ、妨害、傷害、殺傷」の罪で起訴された場合、最高25万ニュージーランドドル(約2400万円)の罰金もしくは2年の懲役が科される可能性がある。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。 

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