農地の集積率を高め農業の生産性向上などを後押しする「地域計画」について、茨城県は21日、本年度中の策定を目指し、44市町村の幹部職員らを招いた初会議を開いた。約160人が参加し、市町村や県の取り組み状況、地域を巻き込んだ計画策定のポイントなどを学び、意識を共有した。

会議は県、県農業会議など5者でつくる「県地域計画5者連絡会議」が主催。計画策定の意義や、関係機関の連携などについて情報の共有を図った。県農地局の渡辺邦夫局長は、茨城県の農地の集積面積が全国で2番目に多いことを挙げ「目指すべき将来像に向け、一層力を入れていきたい」とあいさつした。

県は地域計画策定の進捗(しんちょく)状況を報告。44市町村の計348地区が策定予定で、約9割の市町村で協議の日程が調整済みとし、取り組みが加速しているとした。

会議では参加者が策定のポイントを学んだ。元東海村農業委員会事務局長で全国農業会議所専門相談員、沢畑佳夫さんは「残り11カ月 どうする地域計画の策定」と題し講話。協議の場では、農業関係者だけでなくJAの女性部会や食生活改善推進員といった多様な人材を集めることを勧め、「将来、地域でどんな農業をやっていくかを話し合うことが大事」と強調した。

また関東農政局の担当者は、地域計画のモデル地区となっている福島県白河市や岩手県花巻市などの取り組み事例を紹介した。

地域計画は、昨年5月の改正農業経営基盤強化促進法に基づき、市町村が関係機関や農業者らと協議して策定する。担い手不足の中、意欲ある農家らへ農地の集積を高めるなど農業の将来像を示すのが狙い。