美しくて、繊細で優しい色合いと形で多くの人をほっこりさせてくれる和菓子。ケーキやクッキー、チョコレートなどの洋菓子も、もちろんカラフルでおいしくてワクワクさせてくれるものだけど、小さなお菓子の中に季節の移ろいや美しい自然が閉じ込められている・・・そんな和菓子にやっぱり心が戻ってきてしまうのです。そして、また1つ。素敵な和菓子を発見しました。SNSでも話題の美しすぎる和菓子「空ノムコウ」をご紹介します。佐藤屋八代目の佐藤慎太郎さんにお話も伺いました!

© 乃し梅本舗佐藤屋


夕焼け空の美しいグラデーション、海のきらめき、山や野に存在するさまざまな色の緑、花の色・・・。自然が織りなす美しい姿を目で見たそのまま、形にするのはとても難しいこと。



でも、和菓子ならできるんですね。
乃し梅本舗佐藤屋さんの「空ノムコウ」は空、そして、空ノムコウの宇宙、そして、もしかしたら海を連想させるような美しい「青」を閉じ込めたお菓子です。



伝統×現代から生まれた「空ノムコウ」



© 乃し梅本舗佐藤屋


日本には長く愛される和菓子がたくさんあります。その中でも、寒天と砂糖を煮詰め、冷やし固めた伝統のお菓子を「錦玉(きんぎょく)」といい、透明で涼しげな夏の御菓子の1つです。また水分の多いものは上生菓子にも使われます。



そんな「錦玉」を現代の感性で表現してみようと、佐藤屋八代目佐藤慎太郎さんが、山形のガラス作家さんの作品に感銘を受けて作った一品が「空ノムコウ」。



寒天菓子では一般にタブーとされる気泡をたっぷりと抱かせた透明の層と青と紫を描くようにグラデーションにした層の二層で仕上げ、まるで宇宙や海のような見た目に仕上げられています。



「空ノムコウ」食べてみた



「空ノムコウ」を送っていただいたので、さっそく食べてみました。





パッケージはシンプル。「和」な雰囲気。





開封〜!





空ノムコウの説明書きが入っていました。





早速、パッケージを開けてみると、美しい青が見えました。





横からのぞいてみると気泡が美しく、青と紫のグラデーションも素敵です。





切る位置や見る角度によっても「青」や「紫」の混ざり具合が変わり、さまざまな雰囲気を楽しむことができます。





細く切ってみると、また違う顔が見えてきました。海を切り取ってその断面を見ているような不思議な感覚です。相変わらず「青」と「気泡」が美しい。





フォークで切る時に、寒天のしっかりした硬さ、弾力を感じます。



食べてみると、寒天の安心する食感とほのかに広がる生姜の味がアクセントに。しっかりとした甘さと優しい生姜の味は小さいお子さんから大人まで、そして、生姜が苦手な人でも安心して食べられると思います! ほっこりする〜。



佐藤屋八代目佐藤慎太郎さんに聞いてみた!



© 乃し梅本舗佐藤屋


「空ノムコウ」がとても素敵だから。
その素敵なお菓子を生み出した佐藤屋八代目佐藤慎太郎さんに色々とお聞きしてみました。



なぜ「空ノムコウ」をつくろうと思ったのですか。



色々と新しい菓子を作っているのですが、「おいしいけどもう少し写真映えするものは?」という声があったこと、また、山形のガラス作家さんの合同の展示会を見て感動して、こんな雰囲気の菓子を作りたいと思った事からチャレンジをしました。伊藤直仁さん、森聖文さんの作品には、特に強く影響を受けています。



「空ノムコウ」はタブーに挑戦したお菓子ということですが・・・



一般に、寒天菓子においては気泡が入らずきれいに透明であることをよしとしています。気泡を抜く技は多くありますが、販売されるもので気泡を多く抱いたものは見かけません。本当は入らない方がいい気泡ですが、たくさん入れたらカッコいいだろうなと思い、開発に取り組みました。



「空ノムコウ」をつくるとき、苦労した点はありましたか?



青と紫のグラデーションを上手く出す、また透明と青・紫の層の間の揺らいだような境目をつくるのには、寒天の温度管理が非常に重要なので、苦労しました。



味を生姜味にしたのはなぜ?



このスタイルの寒天菓子は「錦玉(きんぎょく)」と呼ばれ広く作られています。甘さもしっかりしているものが多いのですが、「空ノムコウ」は、あと味をスッキリさせるために、和菓子の伝統的な素材を使おうと考え、夏場にもさわやかに食べられるよう、生姜を選びました。

見た目を今までにない、新しいものに挑戦したので、素材はしっかりと「和」のものを使いたかったというのもあります。



素敵なネーミングはどのように思い浮かんだのでしょうか。



スマップの「夜空ノムコウ」からインスピレーションを受け、和菓子の伝統をしっかり学んだ上に、その先を作っていこうという気持ちを「あの頃の未来に僕らは立っているのかな」などの歌詞に重ね合わせました。



メッセージをお願いします!



山形の江戸期からの銘菓「乃し梅」の元祖として、今もしっかりと伝統を受け継ぎながらも、その伝統のよさを再評価していただきたく、「和菓子をちょっと自由に」をモットーにして、色々な挑戦をしています。

老舗こそ、ドンドンと挑戦をしていかなければ、マンネリ化してしまうと信じ「若い老舗」を目指してみんなで頑張っています。お取り寄せはもちろん、ぜひ世が落ち着いたらば、菓子をきっかけにでも「山形」を楽しみにおいでいただけたらうれしいです。



「青」がとてもきれいで目を奪われてしまう。
でも、それだけでなく、新しい価値観を取り入れ、お菓子の常識の一歩その先を見据えた「空ノムコウ」。



あの頃、なりたいと思っていた自分になることができているのかな・・・。
「空ノムコウ」を眺めながら、そして味わいながら、思いを馳せてみては。



空ノムコウ
1,296円(税込)
https://satoya-matsubei.shop-pro.jp/?pid=153054432



実食:Photo by Miyuki Hayashi