キュレーター・アートライターとして展覧会企画や、美術書の執筆を手がける林綾野さんが紹介するアート情報。今回は、アーティゾン美術館で開催中の『ブランクーシ 本質を象る』をピックアップします。


見る者の感覚を刺激する彫刻作品

 アーティゾン美術館では『ブランクーシ 本質を象る』展が開催中。ルーマニア出身の彫刻家ブランクーシの包括的な個展が日本の美術館で開催されるのは初めて。彼は素朴で簡潔な形態で「接吻」のような男女の絆、鳥の姿などを力強く表した。その造形世界はプリミティブでありながらもどこかモダンで、スタイリッシュな息吹を放つ。

 自由でそれでいて確かなフォルムは、見る者の感覚を強く刺激する。20世紀の巨匠が築いた造形の世界を存分に楽しみたい。

コンスタンティン・ブランクーシ 《接吻》1907-10年、石膏、高さ 28.0㎝、石橋財団アーティゾン美術館コンスタンティン・ブランクーシ 《接吻》1907-10年、石膏、高さ 28.0㎝、石橋財団アーティゾン美術館

期間/開催中〜7月7日(日)まで
休館日/月曜日(ただし4/29、5/6は開館)、4/30(火)、5/7(火)
住所/東京都中央区京橋1-7-2
会場アーティゾン美術館 6階展示室
電話/050-5541-8600(ハローダイヤル)