モーリス・ユトリロ《花》1940年

そんな20世紀の多彩な芸術を楽しめる展覧会が、栃木県の宇都宮美術館で始まります。群馬県・大川美術館が所蔵する、モーリス・ユトリロ、パブロ・ピカソ、ベン・シャーン、アンディ・ウォーホルらの逸品を厳選して展示。この記事では、2024年6月9日(日)に開幕する本展についてご紹介します。

大川美術館コレクションによる20世紀アートセレクションとは

アンドレ・ドラン《窓の静物》1948年頃

大川美術館は、桐生市出身の実業家・大川栄二が約40年にわたって収集した日本・海外の作家のコレクションを収蔵しています。自らを「サラリーマン・コレクター」と称した大川栄二氏は、週刊誌の表紙絵を蒐集することから芸術の虜になりました。

収蔵作品は約6,500点を数え、日本近代洋画や同時代に活躍したピカソやベン・シャーンらの絵画など、20世紀の芸術家による作品が豊富です。

これらの多彩な20世紀アートの名品を、本展では個人コレクションの視点から見られます。

20世紀アートセレクション展の楽しみ方

清水登之《祭之図》1918年

20世紀美術の多彩な表現を楽しむ!

大川美術館のコレクションを手がかりに、20世紀に誕生した芸術の多彩な表現を辿ってみましょう。「キュビスム」「シュルレアリスム」「ポップ・アート」といった、20世紀美術を知る上で欠かせないキーワードをもとに、それぞれのジャンルを代表する作品群を楽しめます。

キュビスムが創始された20世紀初頭は、第一次世界大戦後のパリに多くの芸術家が集い、さまざま新しい潮流が誕生した時代でした。その後はアメリカに芸術の中心地が移り、アンディ・ウォーホルなどポップ・アートの芸術家が作品を制作しています。こうした20世紀美術の歩みを学べるのも、本展の特徴です。

通史にとらわれないコレクターの個性を楽しむ!

本展のおもしろさは、個人が築き上げたコレクションを楽しめること。その人がどのような美意識を持っていたか、何に心惹かれていたかが手に取るようにわかります。「自分と趣味が合うかも?」「人の価値観を知れるのは興味深い!」と感じながら見るのも、きっと楽しいはず。

本展では、大川栄二氏がしていた週刊誌の表紙絵収集にも焦点を当て、個人が作品をコレクションする行為の魅力を伝えています。展覧会を見終えたら「自分もアートを購入してみたい!」と思えるかもしれません。

総勢65名の芸術家による全123点の作品を楽しむ!

展示が予定されているのは、個性豊かな65名の作家による全123点に及ぶ作品。ボリューミーな展示は、今まで馴染みがなかった作家にも出会えるチャンスです。

多彩な表現に触れれば、きっと自分だけのお気に入りを見つけられるはず。それぞれの表現が光る作品の数々をお楽しみいただけます。

大川美術館コレクションで20世紀アートがきっと好きになる!

ロバート・ヘンライ《フローレンスの肖像》制作年不詳

大川美術館コレクションから選ばれた、名品揃いの20世紀アートセレクション。じっくりと見て、変わりゆく時代の中でアーティストたちが描いた世界に思いを馳せてみましょう。

開催概要

会期 2024年6月9日(日)〜2024年8月18日(日)
会場 宇都宮美術館
住所 320-0004 栃木県宇都宮市長岡町1077
時間 9:30〜17:00(最終入館時間 16:30)
休館日 毎週月曜日、7月16日(火)、8月13日(火) ※ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・祝)は開館
観覧料 一般 1,000円(800円)、大学生・高校生 800円(640円)、中学生・小学生 600円(480円)
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保険福祉手帳の交付を受けている方とその介護者(1名)は無料。
※宇都宮市在学または在住の高校生以下は無料。宮っ子の誓いカードまたは学生証をご提示ください。
※毎月第3日曜日(6月16日、7月21日、8月18日)は「家庭の日」です。高校生以下の方を含むご家族が来館された場合、企画展観覧料が一般・大学生は半額、高校生以下は無料となります。
TEL 028-643-0100
URL 【宇都宮美術館|公式サイト】
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主催 宇都宮美術館
協力 公益財団法人大川美術館
企画協力 株式会社キュレイターズ