ツキノワグマ、駆除も視野に 三重県が「保護管理計画」骨子 県議会常任委
伊勢新聞6/20(金)10:00

【ツキノワグマの対応について説明を受ける環境生活農林水産常任委=県議会議事堂で】
三重県議会は19日、総務地域連携交通、環境生活農林水産、教育警察の各常任委員会を開いた。ツキノワグマの出没が相次いでいる問題を受け、農林水産部はクマによる人身被害の防止などを目的とした「ツキノワグマ保護管理計画」の骨子を示した。県南西部のツキノワグマを引き続き「保護の対象」としつつ、おりで捕獲した個体の駆除を認めることも視野に対応を検討している。
<環境生活農林水産=辻内裕也委員長(8人)>
県は自然環境保全条例に基づき、南西部のツキノワグマを「指定希少野生動植物種」と位置付けている。現状では被害防止を目的におりで捕獲したクマを原則、山に返している。
一方、山に放たれたクマが人里に戻る恐れがあることを踏まえ、県は計画に「狩猟の禁止」を明記しつつ、被害防止を目的におりで捕獲した場合に限って駆除を認める方向で検討している。
計画は人身被害ゼロ▽人の生活圏への出没防止▽紀伊半島地域個体群の維持―を目標に設定。人の生活圏と森林の間に緩衝帯を設けることなど、人とクマのすみ分けを図る施策も明記する。
計画の対象期間は令和8年度末まで。市町との協議や自然環境保全審議会での議論などを経て、9月にも中間案を示す。パブリックコメント(意見公募)を経て年内にも策定する方針。
<教育警察=松浦慶子委員長(8人)>
県教委は、4月に受け付けた令和8年度教員採用試験の申込者数が、前年度より161人少ない1758人だったと報告。記録が残る平成6年度試験以降で過去最少となった。
県教委によると、申込者数は5年連続で減少。平成25年度(3422人)の約半数にとどまる。長時間労働への不安や人手不足を背景とした民間の待遇改善などが理由とみられる。
申込者や受験者の減少に伴い、受験倍率も低下傾向にある。令和7年度教員採用試験の倍率は3・4倍で、前年度から0・9ポイントの低下。ピーク時の平成14年度は17・4倍だった。
県教委はSNS(交流サイト)やガイダンスを通じて教職の魅力を発信するなどして受験者を確保したい考え。「教員を志す大学生の不安を解消する取り組みも進める」としている。
<総務地域連携交通=芳野正英委員長(7人)>
地域連携・交通部は「みえリニア戦略プラン(仮称)」の検討状況を報告。県内を三つのブロックに分け、ブロックごとにリニアの効果を生かすプロジェクトを検討していると説明した。
県によると、北ブロックは産業振興に生かすプロジェクト、中央ブロックはお伊勢参りを起点に周遊するプロジェクト、南ブロックは移住や定住につなげるプロジェクトを検討している。
今後は亀山市内に設ける中間駅を核とした交通ネットワークの在り方や駅周辺のまちづくり、広域的な観光・ビジネスの推進などの観点から、最終案の策定に向けた検討を進める。
市町や経済団体、交通事業者、有識者でつくる検討委員会での議論やパブリックコメントなどを経て、来年2月の県リニア推進会議で最終案を決定する予定。同3月の策定を目指す。




