東武鉄道は4月30日、鉄道事業における2021年度の設備投資計画を発表した。沿線4カ所で進めている鉄道の立体化工事の推進など、総額241億円の設備投資を行う。また、秋には「乗車ポイント」付与サービスも導入することを明らかにした。

 高架化を進めている区間は「竹ノ塚駅付近」「清水公園〜梅郷間」「とうきょうスカイツリー駅付近」「春日部駅付近」の4カ所。また、東上線の大山駅(東京都板橋区)付近においては、自治体と事業化に向けた協議を進めている。

 鉄道の立体化を行うことで、踏切における渋滞や事故を解消し、分断された周辺市街地をスムーズに行き来できるようにする。また高架下空間を活用することで都市の活性化や発展につながる効果も期待されると同社は説明する。

 東武スカイツリーライン竹ノ塚駅付近(西新井〜谷塚間)では、足立区が施行する都市計画事業として連続立体交差化工事を行っている。20年度までに上下急行線の高架線が完成し供用を開始。21年度は上下緩行線の高架橋と駅舎工事を推進する。2カ所の踏切を廃止し、竹ノ塚駅(東京都足立区)の高架化を目指す。

 東武アーバンパークラインの清水公園〜梅郷間では、千葉県が施行する都市計画事業として連続立体交差化工事を実施。20年度は同区間で高架線の供用を開始し11カ所の踏切を廃止。また愛宕駅(千葉県野田市)は新駅舎の供用を開始した。21年度は地平設備などの撤去を進める計画で、23年度中の野田市駅の新駅舎供用開始と2面4線化を目指し工事を進めていく。

 東武スカイツリーラインのとうきょうスカイツリー〜曳舟間は、墨田区が施行する都市計画事業として連続立体交差化工事を進めている。24年度の完成を目指し、21年度は上り線の高架橋工事を推進する。この事業が完了すると、1カ所の踏切が廃止される計画だ。

 東武スカイツリーライン・東武アーバンパークラインの春日部駅付近(一ノ割〜北春日部間、八木崎〜藤の牛島間)では、埼玉県が施行する都市計画事業として連続立体交差化工事を実施。21年度は、春日部駅東側で仮線工事に向けた準備工事を進める。この事業が完了すると、10カ所の踏切が廃止される。

 また、同社では駅の安全性向上を目指し、ホームドアの設置を推進していく。

 20年度までに1日の利用者数が10万人以上の駅と、東京オリンピック・パラリンピック競技会場の最寄り駅となる11駅にホームドアの設置を完了。21年度は、東武スカイツリーラインの竹ノ塚駅、獨協大学前駅(埼玉県草加市)、越谷駅(埼玉県越谷市)の2・3番ホームに設置を予定している。また、東京都足立区の小菅駅、五反野駅、梅島駅、西新井駅(4・5番ホーム)など8駅で設置に向けた調査・設計を推進する。

 その他、駅舎の橋上化や駅施設のリニューアル、バリアフリー化を推進する。

 東武アーバンパークラインの七里駅(さいたま市)では、駅舎の橋上化を推進。23年度の完成を目指していて、21年度は仮駅舎の設置工事を実施する。また、東武スカイツリーライン五反野駅(東京都足立区)、東武日光線南栗橋駅(埼玉県久喜市)では駅施設のリニューアル工事を実施していく。

 また同社は、鉄道乗車ポイントの導入もあわせて発表した。東武グループの共通ポイントであるTOBU POINTの新たな取り組みとして、東武線を利用するとポイントがたまるサービスで、改札などのシステム改修を進め21年度秋をめどに導入する予定だ。ためたポイントはTOBU POINTとして利用できるほか、登録したPASMOにチャージすることも可能とする予定だ。

 同日発表した21年3月期の決算は、売上高が前年同期比24.1%減の4963億円、営業損益が135億円の赤字(前年同期は626億円の黒字)、経常損益が98億円の赤字(同584億円の黒字)、純損益が249億円の赤字(同355億円の黒字)だった。

 減収が続く状況を踏まえ、さまざまなコスト削減策を実施。安全投資は引き続き推進しつつも緊急性の低い支出を先送りし、業務委託内容を見直すなど継続的なコスト抑制に取り組んだものの、外出自粛やテレワークの増加、またインバウンド需要の消滅などが大きく影響する結果となった。一方、22年度3月期は回復を見込んでいて、49億円の最終黒字と予想している。

 鉄道事業における21年度の設備投資計画については、安全面に関わる事業などを中心に「必要な事業を厳選して計画を策定した」(広報担当者)と説明する。投資額は20年度の219億円からは増加したものの、コロナ禍前、19年度の397億円からは減少する結果となった。