新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株が11月24日に南アフリカから報告され、世界はその対応を急いでいる。

 日本でも、外国人の入国を制限する水際対策を行うことになったが、また外出できないような日々が続くのは勘弁してほしいというのが多くの国民の感情だろう。

 コロナ禍で経済活動に多大なる悪影響が出たのは言うまでもない。ただそんな状況でも、盛況だったといえる業界があった。ネットショッピングやゲーム業界などだ。

●巣ごもり需要で伸びた業界

 総務省の発表では、「インターネットショッピングを利用する世帯の割合は、2020年3月以降に急速に増加し、その後は2人以上世帯の約半数以上が利用する状況が続いている」という。

 また経済産業省は、巣ごもり需要によってゲームソフト業界で売り上げが伸び、「第3次産業活動指数のゲームソフト指数を確認すると、20年4月に大幅に上昇していることが確認できます」と報告している。

 これはもちろん、日本に限ったことではない。世界的にもコロナ禍で、日常生活のデジタル化が広がった。コロナ禍でインターネットの利用が拡大し、生活はさらに便利になったといえるかもしれない。

 私たちの生活は完全にコンピュータやデジタル機器に支配されている。独調査会社のStatista(スタティスタ)によれば、世界で73億人、つまり人類の8割近くがスマホを所有しているという。つまり、スマホでネットにつながって、ニュースや便利なサービスを利用しながら、気がつけばスマホに依存し、スマホのアルゴリズムの中で生活していることになる。

●インターネット利用者数は52億人に増加

 最近、米国発で、コロナ禍にどれほどデジタル化が進んだのかをまとめたリポートが報告されている。そのリポートは、米DOMO(ドーモ)という企業が「Data Never Sleeps」(データは決して眠らない)というタイトルで毎年まとめているもので、今回は9回目。かなり興味深いので、今回、その中身をのぞいてみたい。

 「Data Never Sleeps」が最初に公開されたのは、13年。インターネット上で生み出されて分散される莫大な量のさまざまなデータを調べて紹介している。インフォグラフにて視覚的に分かりやすく見せており、今回は、コロナ禍がいかに日常生活のデジタル化を加速させているかが分かるようになっている。

 ドーモは、企業向けにビジネスサービスを行う企業である。同社は20年以降のデジタル社会についてこう書いている。「コロナ禍は、私たちの食習慣、働き方、楽しみ方も一変させた。さらに、インターネットの利用もかなり上昇傾向となった」。18年と比べると、20年、インターネット利用者数は43億人から45億人に増加している。

 さらにその傾向はコロナ禍の続いた21年も顕著であり、「21年1月から7月まで、インターネットにアクセスした人の数は10%増加した。つまり、インターネット人口は52億人になり、世界人口の65%がインターネットに接続したのである」という。

 インターネットに触れている人がすごい数なのが分かるが、それを「1分間にインターネット上で何が起きているのか」というのにまとめたインフォグラフを見ると、そのすごさはすでに分かっていてもやはり驚かされる。各ネット上のサービスで比較を行っている。

●ネット上のサービスでは1分間に何が起きているのか

 例えば、グーグル検索。ネットユーザーは1分間に570万回の検索を実施している。グーグルは検索エンジンで、世界シェアは9割近い。インターネットの入り口として揺るぎない存在感を示している。

 そのほかのサービスでは1分間に何が起きているのか。スマホやiPad、PCで利用できるアップルのiMessageを見ると、1分間に1200万人がメッセージを送っているという。

 ネット通販大手のAmazonでは、いつもどこかで誰かが買い物をしており、Amazonで1分間に支払われる購入代金は28万3000ドルに達するという。オンライン上のさまざまなショッピングサービス全体を見ると、世界で600万人が利用している。

 米国で人気の食品・日用雑貨品購入サイト「Instacart(インスタカート)」は、オンラインで注文をして、宅配で受け取ることができるサービスだ。インスタカートでは、消費者は1分間に6万7000ドルほどを費やしているという。

 コロナ禍で日本でも企業などを中心に一気に知名度が高まったコミュニケーションツールの「Slack(スラック)」は、1分間に14万8000通のメッセージが飛び交っている。マイクロソフトが提供するビデオ会議やチャットなどのビジネスツール「Microsoft Teams」は、1分間で10万人がやりとりを行う。

 YouTubeでは、1分間で69万件の動画が公開されているという。Facebookには、動画をリアルタイムで配信できるサービス「Facebook Live」があるが、1分間で4400万人が視聴しているという。さらに、ユーザーは1分間で24万枚の写真を公開している計算になる。

 Facebookはもう古い、という声も耳にするが、それでもInstagramと比べると影響力はまだ大きいようだ。Instagramでは、1分間で6万5000枚の写真が公開されているが、Facebookには及ばない。

 SNSといえば、Twitterも人気だ。Twitterでは1分間に57万件がツイートされている。簡易に動画が配信できるTikTokは、1分間で1億6700ビデオが視聴されているという。

 ここで紹介した企業はどれも大手企業であり、いかにこうした企業が私たちの生活に食い込んでいるのかが分かる。

●大手IT企業は1分間にいくら稼いでいるか

 さらにここまで見てきたドーモの調査とは別に、大手IT企業が1分間にいくら稼いでいるのかをまとめている統計もあちこちで公開されている。

 日本では米大手IT企業のことはGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)と呼ぶが、米国では今、さらに幅を広げて影響力の大きいテック企業のことをFAATMAN(フェイスブック、アルファベット、アマゾン、テスラ、マイクロソフト、アップル、ネットフリックス)と呼ぶ。

 これらの企業はコロナ禍でも業績を伸ばした企業だといえる。デジタル空間やオンラインでサービスを提供しているからだ。

 FAATMANの7企業は、平均すると、1分間で42万ドルほどを稼いでいる。それぞれを見ていくと、アマゾンは1分間で96万ドル、アップルは85万ドル、アルファベットは43万ドル、マイクロソフトは33万ドル、フェイスブック(メタ)は21万ドル、テスラは8万ドル、ネットフリックスは5万ドルを生んでいる。

 再びコロナ禍の生活に逆戻りするのはごめんだが、そうなればネット空間は活況となるだろう。もっとも、もはやコロナ禍でなくとも、人々のネット依存は便利なサービスなどで強まるだろうが。

(山田敏弘)