「自炊どころか皿洗いすら必要ない」と、ネット上で話題になっている商品がある。マルハニチロが販売している冷凍食品の「WILDish シリーズ」だ。

 このシリーズは、電子レンジで加熱した後、袋をお皿の代わりにして食べられることが売りの商品だ。ラインアップは、焼豚五目炒飯、ねぎ塩豚カルビ炒飯、豚キムチ炒飯、ガーリックめし、エビピラフ、焼肉めし、牛ステーキピラフと味も豊富で「一人暮らしの強い味方」「便利でおいしい」と評判だ。

 忙しい現代人のニーズに刺さったこの商品。開発の経緯を、マルハニチロの広報担当者に聞いた。

●アイデアは、“自宅でスナック菓子を食べている時”に生まれた

──“袋のまま食べられる”シリーズを、初めに発売した時期を教えてください。

 2019年8月に「WILDish焼豚五目炒飯」を含め冷凍米飯4品を発売しました。

──“袋のまま食べられる”というアイデアは、どのようにして生まれたのでしょうか?

 お客さまのライフスタイルの多様化、フードロスの観点から、必要な分を必要なときに食べられる「個食」に対応した冷凍米飯の開発を検討していました。

 袋を器にするという発想は、冷凍食品ではこれまでにありませんでしたが、「お皿を洗うのが面倒」という声がお客さまからある中、開発担当者が家でスナック菓子を袋からつまみながら「これを冷凍食品で再現できないか?」と思いついたことがきっかけになりました。

──自宅でのリラックスタイムから生まれた商品だったとは、面白いですね。

●食べやすい袋づくりに苦労

──開発にあたって、苦労したことはありますか?

 商品には、マチ(奥行き)がついている外袋を使うことでレンジ後、自立する「ガゼット袋」を採用しています。

 袋を皿の代わりにするためには、食べやすさに直結する“袋の自立性”と“開口部の広さ”の確保を同時に実現する必要があり、その調整に苦労しました。

──商品開発時に想定したターゲット層や、食事シーンなどはありますか?

 「ライフスタイルの多様化」「節約志向」といったキーワードを掲げました。

 メインターゲットは20〜30代の男性、喫食シーンは時間のない時の食事。具体的にはPCやスマホを操作しながら……といったイメージに設定いたしました。

──消費者からは、どのような反応がありますか?

 袋のままチンできることや、皿いらずで袋のまま食べられるので、洗い物が少なくて済むので便利だというお声が多いです。

──WILDishシリーズの売れ行きを教えてください。

 好評いただいており、計画を超える売れ行きとなっています。

──今後の商品の展開予定などはありますか?

 今後もお客さまのご期待に応えるべく、さらにラインアップを強化していきたいです。

──ありがとうございました。

●開発のヒントは、身近なシーンに?

 開発者がスナック菓子をつまんでいるときに発想したという、WILDishシリーズ。

 「冷凍食品を袋のまま食べる」と聞くと、「そんなスボラな!」と思う人も少なくなさそうだが、冷静に考えれば、家事の手間も減り、洗剤の消費や無駄なごみもなく環境にも優しい。

 こうした常識に縛られない新しい商品開発のヒントは、身近なシーンに転がっているのかもしれない。