プロ野球球団「日本ハムファイターズ」(日ハム)が8月11日の札幌ドームでの主催試合で、全来場者に岩手県の地元紙「岩手日報」の号外を配布する。運営元が同月10日に発表した。同球団出身で、米大リーグ機構(MLB)のロサンゼルス・エンゼルス所属の大谷翔平選手が「2桁勝利・本塁打」を達成したことを受けての措置。紙面では岩手日報に球団名義で広告を掲載し、大谷選手へのエールに加え、2023年開業の新球場のPRも行った。

 投手と野手の二刀流で活躍する大谷選手は、10日のアスレチックス戦に投手として先発。6回無失点5奪三振の好投で、今季10勝目(7敗)を記録した。MLB挑戦5年目で自身初の2桁勝利を上げるとともに、打者としても25号本塁打を放ち、自身の偉業に花を添えた。

 これにより、同一シーズンで「2桁勝利・本塁打」を達成。MLBでは“野球の神様”とも呼ばれるベーブ・ルース氏以来、104年ぶりの偉業達成となった。MLBでの通算本塁打数でもイチロー選手(元マリナーズなど)を抜き、日本人歴代単独2位となる通算118本塁打をマークした。

 大谷選手は7月14日のアストロズ戦で9勝目を挙げ、2桁勝利に王手をかけていたものの、以降の登板では自身の乱調や味方打線の援護に恵まれなかったことなどから、自己ワーストの3連敗となり、偉業達成を前に足踏み状態が続いていた。

●日ハム「世界へ羽ばたくヒーローとともに歩んだ誇りを胸に」

 大谷選手の偉業達成を受け、出身球団の日ハムは11日の試合で特別号外を全来場者に配布する。だが、配布するのは地元北海道のブロック紙「北海道新聞」の号外ではなく、大谷選手の出身地・岩手県の岩手日報の号外だ。1日遅れではあるが、発行元の岩手日報社が東京都内や岩手県内で10日に配布した号外を、ファンサービスの一環として提供する。

 日ハムは球団名義で号外に新聞広告を掲載し、大谷選手への祝福メッセージを寄せた。メッセージは以下の通り。

 「野球の伝説に加わる104年ぶりの偉業達成。本当におめでとう。そして喜びをありがとう。グラウンドは変わっても、投げて打って走って、心から楽しむ姿はあのころから少しもかわらない。世界へ羽ばたくヒーローとともに歩んだ誇りを胸に。挑み続ける。これからも一緒に」(全文ママ)

 その他、23年開業予定の新球場「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」のPRも行った。日ハムは「二刀流に挑戦し続ける大谷選手が104年ぶりの偉業を達成したように、経営理念として掲げる『Challenge with Dream』の下、既成概念に縛られない夢をもった挑戦を続けていく」としている。

●岩手日報、電子版号外を無料公開

 一方、発行元の岩手日報社(発行部数77万部)は、紙版の号外を入手できなかった人のために、公式Webサイトで電子版の号外を無料公開し、PCやスマホで閲覧できるようにした。会員登録が別途必要となるが、岩手県や東京都以外に在住する大谷選手のファンにも媒体を訴求するとともに、部数増加も狙う。

●大谷選手の経済効果は推定252億円

 大谷選手を巡っては、巨額のマネーが動くとして、各所でその経済効果などを試算する動きが相次いでいる。このうち、関西大学の関西大学の宮本勝浩名誉教授(専門は理論経済学)は、MVPを受賞した21年11月からの1年間で251億9247万円の効果があると試算している。

 また、本業以外にも24億円超の副収入があることや、敵地での登板試合で観客数が2.3倍に増えたとする報道もある。