ふるさと納税市場の調査分析を行う「ふるさと納税総合研究所」(大阪市)は、総務省が発表した「令和4年(2022年)度ふるさと納税に関する現況調査」の結果から、2021年度のふるさと納税寄付額を「市」「区」「都道府県」別に分析した。

 それぞれの1位は、市が「北海道紋別市」(152億9676万円)、区は「東京都墨田区」(9億6487万円)、都道府県は「山形県」(24億7380万円)だった。

 「市」の2位は「宮崎県都城市」(146億1619万円)、3位「北海道根室市」(146億456万円)と続いた。

 宮崎県都城市は、これまで15年度、16年度、20年度と、3回日本一になっており、ふるさと納税を代表する自治体の一つ。自治体ブランド向上と市内事業者支援を戦略として掲げ、ふるさと納税制度を戦略実現のために活用している。

 自治体の認知とブランド向上のため、当初はかなり思い切った還元率を設定し、法律で規制される前から返礼品を市内生産品に限定していた。 

 「区」の部は、1位の「墨田区」に続き、「渋谷区」(4億4270万円)、「目黒区」(3億5689万円)と続いた。

 トップの墨田区は、都内にありながら伝統工芸品などの地域産品が豊かで、区としては早めにふるさと納税の取り組みを強化した自治体。2位の渋谷区は、レストランや宿泊、体験サービスなど都会ならではの返礼品を用意し寄付額を伸ばした。

●「都道府県」の部1位の山形県は、2000種類以上の返礼品をそろえる

 「都道府県」の部は、1位が「山形県」、2位が長野県(11億9595万円)、3位が佐賀県(10億9473万円)だった。

 都道府県のふるさと納税は、市町村と地域産品で競合することもあり、「都道府県が取組みを強化することは難しい」(同研究所)という。その中でも山形県の取り組みは他県よりも早く、返礼品に果物をはじめ2000種類以上を取りそろえており、平均寄付額も毎年上位にランクインしている。

 行政区分ごとでのふるさと納税寄付額は、対前年では「区」が126.9%、「市」が125.4%、「町」が122.7%、「村」が114.5%で、「区」「市」が、「町」「村」の成長率を上回った。「都道府県」は82.2%と前年を下回ったが、寄付件数は増加している。

 今回の分析を通じ、ふるさと納税総合研究所は「上位の自治体はプロモーションで豊富に予算が確保できるため、さらに上位を目指す動きができるが、それ以外の自治体は予算を確保しにくく、返礼品提供事業者や中間事業者の協力度合いも低くなることから、上位に追いつくことが難しくなっている。制度の重要課題のひとつ」とコメントしている。