商品のパッケージをぐるりと一周している不思議なバーコードを見つけた。生鮮食品・加工食品を中心としたディスカウントストアの運営を行うビッグ・エー(東京都板橋区)が提供している「多面バーコード」だ。

 牛乳パックは側面にぐるっと一周、ペットボトルには各側面に3個のバーコードが付いているなど、商品によってバーコードの数や大きさ、デザインが異なる。多面バーコードを導入している商品では、内容表示やパッケージデザインに配慮しながら最大4カ所にバーコードを付けているという。

●スーパーで感じるあの“いらいら”を解消

 商品本部商品企画部の半夏潤王さんは「レジ待ちの時間を短縮して、少しでも買い物を快適にできるようにしようと考え、多面バーコードを開始した」と話す。

 通常だと、レジではバーコードがどこにあるか探す時間が必要だ。しかし、多面バーコードは商品のあらゆる場所にバーコードがあるため、手元を見なくてもスキャンできる。

 「多面バーコードの商品を扱う場合、レジの訓練を全くしたことがない人でも、スキャンにかかる時間を1商品当たり最低1秒削減できることが分かっています。これは、年間で最低でも3万1000時間の短縮につながるということです(1秒×年間の販売品数)」(半夏さん)

 セーフィー(東京都品川区)が実施した「スーパーでの買い物に関する調査」によると、買い物におけるストレス、スーパーへの不満の1位は「レジ待ちの長さ」というデータが明らかになっている。多面バーコードはスーパーでのいらいらを解消し、利用者の満足度を高めることに大きく貢献していそうだ。

●人件費削減にも貢献

 半夏さんは「多面バーコードによって削減した時間で、従業員がレジ打ち以外の作業に取り組むことができるため、人件費の削減にもつながっている」と話す。従業員からも、「バーコードを探さなくてもいい」「スキャンのスピードが上がる」と好評を得ているそうだ。

 「多面バーコードの導入によって削減した時間で、従業員が清掃や品出し、売り場の整理などの別の作業に取り組むことができます。別途人を雇うことなく、全てのオペレーションを回すことができるようになりました」(半夏さん)

●今後はNBへの導入を目指す

 現状、多面バーコードは、プライベートブランドを中心に277品で導入している(22年7月末現在)。半夏さんは「今後はナショナルブランド(NB)での導入も目指していく」と話す。

 「多面バーコードに対して、デザイン性を懸念する声を多くいただきます。しかし、導入してから3年間でデザイン性についての否定的な意見をいただいたことはございません。多面バーコードを推進する目的を理解していただき、数字上のメリットを伝えることで、各メーカーさんからも支持を得ていきたいです」(半夏さん)

●徹底的に無駄を排除

 ビッグ・エーはオペレーションの効率化を重視し、徹底的にムダを省くことで、他のスーパーマーケットよりも25%、ディスカウントストアよりも10%安く商品を提供していると主張しているという。

 「ビッグ・エーは、取り扱う商品を2500品くらいに絞り込んでいます。一般的なスーパーマーケットの売れ筋商品の上位25%のみを取り扱い、売れるものだけを仕入れ、商品の回転率を上げて、無駄な在庫を抱えないようにしています。全体の77%程度で、カッターやハサミを使うことなく簡単に開封でき、そのまま店頭陳列が可能なシェルフレディパッケージを採用。ケースのままで陳列することで、人件費の削減を行っています。また、支払い方法も現金、PayPay、auPayのみに絞り込み、システム経費や手数料をカット。さまざまな場面で効率化、コストカットを行っています」(半夏さん)

 効率化、コストカットは全て「1円でも安く販売するための原資」だという。半夏さんは、「まだまだ効率化、コストカットできる部分はたくさんあります。物流から店頭まで、いろんな場面で効率化を徹底し、お客さまに1円でも安く販売できるように努めていきます」と意気込んだ。