ローソンは2月6日から、「盛りすぎ!チャレンジ」と題し、価格据え置きで重量を約47%増量したおにぎり、調理麺、ベーカリー、デザートを12品発売する。昨今の値上げで家計が大きく影響を受ける中、お得感のある商品を提供し、顧客満足度向上を目指す。

 同社はこれまで、調味料、素材食品、日用品などプライベートブランド商品の価格維持や、一部店舗での100円均一商品売場の展開などを強化してきた。今回は「盛りすぎ!チャレンジ」と題し、値上げが続く2月に“通常商品の増量”という形で、消費者の生活をサポートする。

 2月6日から3週間にわたり、毎週4品ずつ投入。同社は「日本全国、47都道府県の皆さまに楽しんでもらえるようにという思いを込めて、『47%増量』にしました」とコメントした。

 商品は見た目のインパクトを重視。ただ増量するだけではなく、増量する材料を検討し、飽きずに最後まで食べられるように工夫した。

 2月6日に発売する「盛りすぎ!生ガトーショコラ」(235円)は、定番品「生ガトーショコラ」と比較して、ショコラ生地、クリーム、トッピングのパリパリチョコと総重量をそれぞれ約47%増やした。

 2月13日発売の「盛りすぎ!プレミアムロールケーキ」(167円)は、定番品「プレミアムロールケーキ」と比較して、総重量を約47%増やした。

●価格維持と“楽しさ”の提供で対応

 1月30日に行われた発表会では、昨今の物価上昇を受けて、消費者の購買行動が変化していると説明。(1)単価が高い高付加価値商品(2)買い求めやすい購入単価が安い商品――の売り上げが好調なことから、「メリハリ消費」を好む傾向が高まっていると分析した。

 同社はメリハリ消費に対応するために、価格戦略を強化している。ゴディバコラボのスイーツやブランド米使用のおにぎりなど、高付加価値の商品の拡充に加え、「お得商品」の投入も強化。価格帯ごとに商品の偏りがないように品ぞろえのバランスを取るよう意識している。

 商品開発においては、「定番商品」を価格以上の品質で提供することと、「ベーシック商品」で可能な限りの価格維持に努める。また、今回の「盛りすぎ!チャレンジ」のようなワクワク感を訴求するキャンペーンを投入し、顧客満足度向上を目指すとする。

 「この外部環境の中で、価値を上げて価格を下げることはなかなかできない状況になっています。その中でも、期間限定ではありますが、企業努力として『盛りすぎ!チャレンジ』を実施することになりました。閉塞感が漂う毎日の中で、少しでもワクワク感を感じてもらいたいと考えています」(同社)

●止まらない値上げ 2月にピークか

 帝国データバンクの「食品主要105社」価格改定動向調査によると、23年中の飲食料品における値上げ品目数は、4月までの予定を含め累計7390品目に上るという。1回あたりの平均値上げ率は18%だった。

 1月単月の値上げは580品目。2月には22年以降で2番目に多い規模となる4000超の品目で値上げが控えるという。