弁護士ドットコムが、電子契約サービス「クラウドサイン」を自治体に導入する動きを強めている。
同サービスは、契約の締結から管理までデジタルで完結させる契約マネジメントプラットフォームだ。契約交渉済みの契約書をアップロードし、相手方が承認することで契約を結べる。同社の広報担当者によると、関連会社のSMBCクラウドサインも含めて、47自治体に導入・導入支援を行っているという(47自治体には都道府県8自治体も含まれる)。
最近の動きとしては、2月1日にNTT東日本向けにOEM提供している「クラウドサインforおまかせはたラクサポート」が、2月1日に埼玉県美里町で導入された。
自治体の具体的な契約シーンとしては、紙面で締結してきたものを全て電子化するという方針で活用されている。建設工事、コンサル、業務委託、物品購入、協定書など利用シーンは幅広い。契約だけでなく、さまざまな書類に対しても署名を付与することで、電子化を推進する検討も進んでいるという。
ここ数年でクラウドサインや類似のサービスが自治体に急激に浸透している背景としては、総務省やデジタル庁がDXを積極的に推進していることが挙げられる。一方、広報担当者は「自治体の首長や、契約・情報システム部門の担当者自らがDXのメリットを理解し、組織へのトップダウンやボトムアップによって推進しようとしていることも普及の要因と感じている」と説明する。また、事業者側から自治体に対して電子契約導入の依頼が増えていることも、検討するきっかけになっているという。
NTT東日本は弁護士ドットコムと協業し、「クラウドサインforおまかせはたラクサポート」という形でもクラウドサインを販売している。クラウドサインのサービスはそのままに、他のクラウドサービスとセットで導入できるのが特徴だ。また、電話でのサポートサービスを付帯可能なパッケージとなっている。
自治体のDX推進は電子契約の導入にとどまらず、総合的に取り組む必要がある。クラウドサインの導入にあたっては、NTT東日本が取り組んでいるDX人材の育成との相乗効果もあると弁護士ドットコムでは考えているという。
自治体DXの波に乗って、電子契約サービスの導入はますます進んでいきそうだ。