ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」は、1月25日から朝食メニュー「ドンキースペシャルブレックファスト」の販売を開始した。価格は880円で、これまで提供していた朝食メニューと比べて高額だ。びっくりドンキーを展開するアレフ(札幌市)の開発担当者に、新メニュー投入の狙いや、発売後の利用動向を聞いた。
ドンキースペシャルブレックファストは、トースト、サラダ、マッシュポテト、ベーコン、ソーセージと目玉焼きまたはスクランブルエッグがワンプレートとなっている。サラダについては栄養バランスだけでなく、目で見ても楽しめるように彩りが鮮やかな食材を使用している。
みそ汁もしくはドリンクが付いており、ドリンクは、ホットコーヒー(おかわり自由)、アイスコーヒー(S、おかわり自由)、ホットウーロン茶、コーラなどから選択可能としている。
開発の参考にしたのは、ホテルの朝食にある「アメリカンブレックファスト」というスタイルだという。トーストの上に卵、トマト、紫キャベツなどを少しずつのせて食べるスタイルも想定している。
アレフはコロナ禍の影響により店内飲食のニーズが減少する一方、朝食の需要が高まっていると分析しており、2020年4月から一部店舗でモーニングメニューの提供を開始した。現在の取扱店舗数は全339店のうち233店(1月20日時点)で、今後も拡大する予定だという。
当初はトーストメニューだけだったが、「ミニマムバーグディッシュセット」(585円)や「朝の新定番!卵かけご飯」(330円)を投入していった。品ぞろえを増やしていったのは多様なニーズに対応するためだ。卵かけご飯の開発にあたっては、「びっくりドンキーらしさがあるか」「わざわざびっくりドンキーに来店して食べたいメニューか」といった点を重視。オリジナルハンバーグソースをかけて食べるスタイルを採用している。
新メニュー投入の狙いは「これまでのトーストメニューより、ボリューム・栄養をしっかり摂りたいというニーズに応えるため」(担当者)としている。
●発売後の反響は?
ドンキースペシャルブレックファストは、モーニングメニュー注文数のうち約1割を占めているという。性別・年代を問わず利用しており、従来のトーストメニューと比べてボリュームがあるので、朝に仕事が終わった後や、朝からしっかり食べたいと考えている層が利用しているのではないかと同社は分析している。
郊外型の店舗では年配や家族連れ、都市部では若者や外国人が注文するケースが多いという。
開発するにあたってはどういった点を考慮したのか。「しっかり食べたい」というニーズに対応するため、「当初は食べきれないくらいの量だった」(担当者)。朝食が重たくなりすぎないように、量と食材の組み合わせのバランスを調整し、適度なボリュームを実現するのに苦労したという。
同社が朝食メニューを強化するのは、これまでびっくりドンキーを利用したことがない層に来店してもらうきっかけ作りという側面もある。ホテルみたいな朝食を投入することで、新規顧客を取り込めるか。