転職サービスを展開するリブセンス(東京都港区)は、ITエンジニアとその採用を担当する人事担当者を対象に、「ITエンジニアの働き方」に関する調査を実施した。仕事においてリモートワークは重要か聞いたところ、「重要」「やや重要」と答えた人は合わせて72.3%だった。
未婚男性は71.1%、 既婚男性は72.8%と、既婚男性が未婚男性よりも1.7ポイントほど多くリモートワークを重要と捉えていた。一方、未婚女性は79.5%、既婚女性は65.5%と、リモートワークを重要と捉えている既婚女性は未婚女性よりも14ポイント少なかった。
同社は「仕事と家庭の両立にリモートワークでない方が働きやすいと考える人が多いのか、リモートワークができることによって解決される課題は限定的と捉えているのか、興味深い結果になった」とコメントした。
●理想のオフィス出社頻度は?
理想のオフィス出社頻度を尋ねたところ、1位は「週2日程度」(20.0%)、2位は「フルリモート」(19.8%)、3位は「週1日程度」(17.5%)となった。「週2日程度」と「フルリモート」を理想とする人ははほぼ同数だった。
一方、現在のオフィスへの出社頻度は「週5日」(28.3%)が最多。週3日以上出社している割合は46.6%とほぼ半数だった。
●「フルリモート」が理想な理由
ITエンジニアのうち「フルリモート(原則在宅勤務)」を理想としている人に理由を聞いたところ、「出社するメリットが感じられないから」(59.5%)、「オフィスへの移動時間の負担を減らしたいから」(58.2%)が上位を占めた。「家庭(育児・介護など)と両立しやすいから」(30.4%)」は6位だった。
●子どもの有無で出社頻度の希望度は変わる?
オフィス出社頻度の希望度を子どもの有無で見た結果、同居する子どもがいる人は「週2日程度」(21.8%)の希望が最も多く、「週1日」(20.4%)、「週3〜4日」(19.7%)、「フルリモート」(14.8%)と続いた。一方、子どもがいない人は「週1日程度」(23.0%)と「フルリモート」(23.0%)が上位を占めた。
●人事担当者が採用で重視していることは?
人事担当者がITエンジニアの採用で最も重視していることを聞いた。1位は「コミュニケーション文化のアップデート・風土づくり」(35.0%)、2位は「ワークスタイルの魅力」(34.0%)、3位は「企業の規模・安定性・成長性」(33.0%)だった。コロナ禍で働き方が多様化する中、社員同士の信頼関係構築を重要視していることがうかがえた。
●ITエンジニアが転職検討時に重視していることは?
ITエンジニアが転職検討時に重視していることを尋ねたところ、64.8%が「給与・待遇」と回答した。その他、「ワークスタイルの魅力」(38.5%)、「社員の人柄・雰囲気・文化」(38.5%)、「企業の規模・安定性・成長性」(32.0%)といった声が寄せられた。
1位は2位以下と倍近い差をつけ「給与・待遇」だったが、次点の「ワークスタイルの魅力」「社員の人柄・雰囲気・文化」がほぼ同率であることから、柔軟な働き方・ワークスタイルを求めているとともにメンバーとの関係構築も大切と捉えているようだ。
今回の調査は、ITエンジニアおよびITエンジニアの採用を担当する人事担当者を対象に、インターネットで実施した。期間は2022年12月19〜20日、有効回答数は500人(ITエンジニア 400人・人事担当者100人)。