不動産や住宅情報のポータルサイトを運営するLIFULL(東京都千代田区)は、「JR武蔵野線 家賃相場が安い駅ランキング2023」を発表した。ランキング1位は「市川大野」(5万5000円)だった。2位には「東所沢」「西浦和」「新八柱」の3駅(いずれも5万7000円)がランクインした。

●都心への交通利便性に優れる「市川大野」

 1位の「市川大野」(千葉県市川市)は、都心への交通利便性に優れながら駅周辺は住宅街が広がる駅だ。「東京」まで乗り換えなしの約37分で到着する他、千葉県屈指のターミナル駅「西船橋」まで約8分、京成電鉄成田空港線が利用できる「東松戸」まで約2分と、近隣の駅を上手に活用すると行動範囲が広がる。東京ディズニーリゾートのある「舞浜」まで約22分、車があれば「ショッピングプラザ鎌ヶ谷」や「イオンモール船橋」へも約20分と、休日のレジャーや買い物にも便利なエリアだ。

 千葉県市川市は、古くから文教地区としても知られており、住民からは「ファミリーが多い」「閑静な住宅街がある」といった声が多く寄せられた。

●ポップカルチャー発信で注目集まる「東所沢」

 2位の「東所沢」(埼玉県所沢市)は住宅街のイメージが強いが、2022年に国内最大級のポップカルチャー発信拠点「ところざわサクラタウン」がオープンしたことで注目を集めている。開業に伴い駅舎もポップなデザインにリニューアルし、にぎわいが生まれている。

 「池袋」まで乗り換え1回で約36分、「東京」まで約59分かかるが、朝の時間帯には始発があるため、座って通勤でき、川越街道や所沢ICにも近く車の利便性が高い街でもある。

 同じく2位の「西浦和」(さいたま市桜区)があるさいたま市は、0〜14歳の転入超過者数が8年連続日本一。住民からも「ファミリーが多い」「都会的だが公園もあり、買い物なども便利」などの声があり、子育て世帯に優しい地域である。駅前の商業施設が豊富とはいえないが、市は22年3月に「西浦和駅周辺まちづくり方針」を公開。計画段階ではあるものの、駅前環境の整備も少しずつ進んでいくことが期待される。

 「武蔵浦和」で乗り換えれば「池袋」まで約33分、「大宮」まで約17分で到着するのも魅力のようだ。

 「新八柱」(千葉県松戸市)は複数路線を利用でき、子育て環境や駅周辺の商業・文化施設も充実している駅。隣接する新京成電鉄の「八柱」も利用可能でき、「東京」までは約46分、「上野」まで約41分と、都心への通勤通学に不便のないエリアといえる。

 松戸市は「SDGs未来都市」にもなっている他、待機児童ゼロを7年連続で達成。子育て施策にも力を入れている。駅周辺には文化ホールもある広い都市公園「21世紀の森と広場」があり、ファミリー向けのスポットが点在している。住民の口コミでも「買い物のしやすさ」「運動に適した公園や道がある」といった声が挙がっているという。

●「新小平」「新松戸」「西国分寺」などがランクイン

 5位は「新小平」(東京都小平市)、「新松戸」(千葉県松戸市)がともに5万8000円。その他は「西国分寺」(東京都国分寺市、6万円)、「三郷」(埼玉県三郷市、6万1000円)、「市川塩浜」(千葉県市川市、6万2000円)、「新秋津」(東京都東村山市)(6万2750円)が続いた。

 同社は、「ほかにも武蔵野線沿線では、さいたま市の副都心として位置づけられる『武蔵浦和』の駅前再開発や、『新八柱』と『新松戸』の間に新駅建設が検討されるなど、さらなる各駅の活性化が見込まれている。準近郊・郊外暮らしへの関心が高まるなか、ファミリーが暮らす街として注目したい沿線の一つだ」とコメントした。

 今回の調査は、JR武蔵野線の各駅(LIFULL HOME'Sの掲載物件数10件以上)にある築40年以内、駅徒歩15分以内、専有面積15平方メートル以上100平方メートル未満の賃貸物件を対象に集計した。期間は22年11月〜23年1月。