マツダが出資する中国の現地法人である長安マツダ汽車有限公司(以下、長安マツダ)は、新型電動車「MAZDA EZ-6(マツダ・イージーシックス)」と、新型電動車のコンセプトモデル「MAZDA 創 ARATA(マツダ・アラタ)」を初公開した。これら2つのモデルは、4月25日に中国・北京で開催された「2024年北京モーターショー(第18回北京国際汽車展覧会)」で発表された。

 MAZDA EZ-6は、マツダと合弁事業のパートナーである重慶長安汽車股?有限公司(以下、長安汽車)の協力のもと、長安マツダが開発・製造を行う新型電動車(新エネルギー車)の第1弾。2024年中に中国で発売する。

 同モデルは、マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)―Soul of Motion」にもとづいたスタイリングや人馬一体の走行性能を、長安汽車の電動技術やスマート技術と組み合わせた。電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の2機種を設定し、中国でのニーズや嗜好に対応する。

 デザインテーマは「Authentic Modern」で、電動化時代に合わせたスタイリングだという。ドライバーの意図に対し、クルマがリニアに反応するようブレーキやステアリングをチューニングしている。50:50の前後重量配分(BEV)、ストラット式のフロント、リアはマルチリンク式のサスペンションで、高速走行時の安定性を向上する電動リアスポイラーを採用した。

 運転支援および事故被害の低減を図るインテリジェントドライブ機能や、車外からでも音声操作が可能なインテリジェントパーキング機能など、安全性や利便性を高める機能を搭載している。航続距離は、BEVモデルは約600キロ、PHEVモデルは1回の給油で1000キロ以上を想定しているという。

●「MAZDA 創 ARATA」は2025年中に量産化

 同時に公開されたコンセプトモデル「MAZDA 創 ARATA」は、第2弾の新型電動車として2025年中に中国市場で発売する予定だ。モダンかつプレステージアスな印象を与えるクロスオーバーSUVで、先進的なものを好む中国の購買層獲得を目指す。

 デザインテーマは「SOULFUL + FUTURISTIC x MODERN」。未来的でモダンな造形を、マツダデザインの「動くことへの感動」や魂動デザインと融合させ具現化した。

 サイドビューは、分厚いドア断面と4つのタイヤにトラクションがかかる立体構成とし、魂動デザインらしいダイナミックな造形を表現している。また、2つのウイングが重なったクロスウイングのリアコンビランプを採用した。

 ボンネット先端部、フロントバンパー両端、Dピラー内側などに空気の通り道を設定している。これにより空力特性が向上しつつ、近未来的なスタイリングに仕上げた。

 マツダの毛籠勝弘(もろ・まさひろ)代表取締役社長兼CEOは「先進的なクルマを嗜好する中国のお客様のご要望に応えるマツダらしい商品の導入により、中国ビジネスを反転攻勢する」とコメントしている。