ブライダル関連市場規模が着実に復調している。矢野経済研究所(東京都中野区)が2023年度の同市場について、事業者売上高ベースで1兆9708億円(前年比111.2%)となる予測を発表した。2024年度は2兆400億円(同103.5%)と、2019年度以来5期ぶりとなる2兆円台の見込み。

 ブライダル関連市場のうち、挙式披露宴・披露パーティ市場は2022年に1兆円台まで回復。2023年も好調に推移する見込みだ。また、ブライダルジュエリー市場は素材価格高騰に伴う商品価格の値上げにより市場が拡大している。さらに、結婚相談所・仲介業サービス市場はコロナ禍で浸透したオンラインサービスや、アフターコロナにおける対面での出会いに関連するサービスが盛況だ。

 矢野経済研究所は同市場で注目すべき点として、挙式場の新規出店や施設のリニューアルを挙げる。コロナ禍で各社が抑制していた投資が2023年から本格的に再開しており、大手挙式運営企業では、ホテルへの業態転換や新事業の展開に舵を切り、中堅企業では年間複数店舗を出店するなどの成長戦略を掲げる例もあるという。

 今後について、挙式披露宴・披露パーティ市場は受注状況や婚礼相談の問い合わせ状況などから、コロナ禍からの急速な回復期は落ち着き、緩やかな伸びとなるとコメント。また、ブライダルジュエリー市場は断続的な商品価格の上昇が落ち着くことで、成長が横ばいとなると予測する。一方、結婚相談所・仲介業サービス市場はオンラインと対面、双方のサービスが充実することで、利用者の需要が高まり続け、微増する見込みだという。

 1〜3月に、専門研究員による直接面談(オンライン含む)と電話・メールによるヒアリング、郵送アンケートならびに文献で調査した。対象は、ブライダル事業と関連事業に参入している、サービス業や物販業を中心とした企業・関連団体など。