NTTドコモの前田義晃社長は、6月18日の社長就任会見で、「Sub6」の5Gエリアに言及した。

 前田社長は「ドコモが5Gサービス開始当初から全国でのSub6周波数帯による5Gエリア展開をスピード感を持って進めてきた」とした上で、「当社調べにはなるが、全国のSub6エリアカバー率はNo.1だ」とアピールした。

 Sub6は5G専用に割り当てられた6GHz帯以下の周波数帯を指す。KDDIはSub6の3.7GHz帯と4.0GHz帯を保有している。ただ、衛星通信事業者の地球局と干渉してしまう周波数帯であるため、地球局が多く設置された関東圏で、干渉を防ぐために出力を制限していたが、出力増強やアンテナの角度調整の結果、関東のエリアが2.8倍に広がったことを報告した。

 ドコモは3.7GHz帯と4.5GHz帯を持ち、このうち干渉影響の少ない4.5GHz帯がドコモにとっての武器となっているが、海外で同じ周波数帯を使う国や地域が少なく、対応端末が限定されてしまう。

 前田社長は「今後、さらなるSub6エリアの拡充を主軸に、MU-MIMO(マルチユーザーMIMO)など高機能技術の導入を加速し、最新型の基地局装置への迅速な移行も推進していく」と述べた。ドコモは人口密集地である東京都、その周辺地域、名古屋、大阪、福岡を中心にSub6エリアの拡充を図る。

 MU-MIMOはビームを分散させて、複数のユーザーが同時に通信可能にするための技術。基地局側に多数のアンテナを取り付けてより大容量の通信を可能にするMassive MIMOの応用したものだ。