ソフトバンクは「LINEMO」「Y!mobile」の2ブランドで、月額2000円台かつ通信量20GB前後のサービスを提供する。では、現在ソフトバンクやY!mobile、その他大手キャリアを契約している人でスマホ代を安くしたい人は、LINEMOとY!mobileのどちらを選ぶべきだろうか。契約上の注意点を紹介した上で、1人暮らしと家族の両方のパターンを見ていこう。

 なお、記事中の価格は全て税込みとしている。 

●オンライン手続き専用だが、安さとLINE特典が魅力「LINEMO」

 LINEMOは、オンライン申し込み専用で通信量20GB、月額2780円という安さが魅力のサービス。通信は5G対応でeSIM契約も可能。ただし、キャリアメールや留守番電話は利用できず、サポートもオンラインのみだ。端末のセット販売はないので、利用するスマホはLINEMOで動作確認のとれたスマホや市販のSIMロックフリースマホが必要になる。

 特徴はLINEギガフリーで、メッセージや通話・ビデオ通話で使った通信量は消費されない。また、LINEクリエイターズスタンプが使い放題になる「LINEスタンププレミアム」(月額240円)も夏までは240ポイント還元で利用でき、夏以降は無料で利用できる。また、キャンペーンとして5分以内の通話が無料になる「準通話定額」(月額550円)が加入から1年間無料になるサービスも提供している。

●安価でキャリアメールや店頭手続きもできる「Y!mobile」

 Y!mobileは通信量3GB〜25GBの範囲で3プランを提供。家族割引なども含めると月額990〜4158円の価格帯で利用できる。また、キャリアメール(〜@ymobile.ne.jp)を利用できる他、全国のキャリアショップで加入や端末販売サポートも受けられる。通信は5G対応でeSIM契約も可能だ。安価ながらも大手3社に近いサービスを受けられ、スマホをあまり使わない人から、ある程度使う人までカバーできる安さと幅の広さが魅力だ。

 特典として、月額508円の「Yahoo!プレミアム」を無料で利用できる。Yahoo!ショッピングやPayPayのキャンペーンでお得な還元を受けられる他、雑誌読み放題や野球中継を楽しめる。PayPayやヤフオク、ZOZOなども含めてYahoo!JAPANやPayPay経済圏での買い物が多い人にとっては魅力的だ。

●LINEMOとY!mobileへの移行は簡単だが、SIMロック解除は必要

 ソフトバンクからLINEMO、Y!mobileへの移行にはいくつか注意点がある。

 まず、ソフトバンクとLINEMO、Y!mobileの3ブランド間で家族割引のグループを作れない。家族がソフトバンクとLINEMO、Y!mobileに分散すると、ソフトバンクのままの家族は月額料金が高くなる。ドコモとahamoや、申し込み期間は限定されているがauとpovoのような家族割引の回線数の引き継ぎができないので注意が必要だ。

 3ブランドとも別サービスなので、ブランドを移行すると「ソフトバンクまとめて支払い」「Y!mobileまとめて支払い」といったキャリア決済の月額課金サービスは解約される点も注意しておこう。

 ソフトバンクからLINEMOやY!mobile間の移行は、オンライン手続きならMNP(モバイル番号ポータビリティ)の手続きなしに無料で申し込める。例えばLINEMOだと、申し込み中に「My SoftBank」または「My Y!mobile」のログイン画面が表示され、ログインすればすぐに移行できる。後は物理SIMの場合は自宅にSIMが送付され、指定された方法で回線を切り替えれば完了だ。

 LINEMOやY!mobileで手持ちのスマホを使う場合は、各ブランドの端末動作情報の確認とSIMロック解除が必要だ。店舗に行かなくてもオンラインですぐに手続きができる。ソフトバンクから購入した古いスマホだと、VoLTE非対応などの問題で動作せず、買い換えが必要になる場合がある。

 Y!mobileやLINEMOの対応機種について、iPhoneはiPhone 6s以降の動作確認が公開されている。Androidの動作確認はあまり掲載されていないが、これまでの実績や対応周波数帯からすると、多くのSIMロックフリーAndroidスマホはY!mobileはもちろん、LINEMOでも動く可能性が高い。気になるならスマホメーカーの動作確認情報もチェックしよう。

●1人でスマホだけならLINEMO、光回線セットはY!mobileもお得

 まずは1人で、通信量20GB前後のプランを契約する場合から見ていこう。

ソフトバンク3ブランドの通信量20GBのプランを1人で契約

・LINEMO(20GB)……月額2780円

・Y!mobile

・シンプルL(25GB、1年間28GB)……月額4158円

・シンプルM(15GB、1年間18GB)……月額3278円

・シンプルS(3GB、1年間4GB)……月額2178円

・ソフトバンク

・メリハリ無制限(無制限、テザリング30GB)…… 月額7238円

 通信量20GB前後の場合、月額料金と通信量だけを見るとLINEMOが圧倒的に安い。特に、LINEビデオ通話を毎日利用している人だとLINEMOで決めてしまってもいいだろう。

 だが、Y!mobileには家族割引があり、離れた家族のY!mobileと家族割引のグループを組んで2回線目以降として登録すると、2台目以降、月額1188円が割り引かれる。この金額だとLINEMOとの差はほぼなくなるので、3種類のプランを選べる自由さや、Y!mobileのサポートやYahoo!JAPANのサービスを重視するならY!mobileを選んでもよいだろう。

Y!mobileの家族割引(2回線目以降)を適用すれば、LINEMO並みにお得

・LINEMO(20GB)……月額2780円

・Y!mobile

・シンプルL(25GB、1年間28GB)+家族割引……月額2970円

・シンプルM(15GB、1年間18GB)+家族割引……月額2090円

・シンプルS(3GB、1年間4GB)+家族割引……月額990円

 ソフトバンクの「メリハリ無制限」は、外出時にスマホでネット動画を大量に見る人にはベストだ。だが、テザリング通信量が30GBに制限されており、テレワークやプライベートでPCとのテザリングを多く利用する人には向いていない。ビデオ会議や動画視聴、大容量ファイルの送受信が多い人だと30GBでは足りなくなりがちだからだ。

 自宅でPCでのテレワークや映画視聴、ゲーム機やデジタル家電を利用する人は、Y!mobileやLINEMOに光回線を加えた方が、ソフトバンクのメリハリ無制限だけを契約するよりは、価格でも通信量無制限や通信速度の面でも満足できるだろう。

 Y!mobileは、月額4730円〜の「SoftBank 光(2年契約、オプション込み)」とセットで契約すると、「おうち割 光セット(A)」によりY!mobileの基本料金が1回線目から月額1188円安くなる。シンプルMと光回線の組み合わせを月額6820円からの料金で使えるのは魅力的だ。

Y!mobile シンプルM +SoftBank 光を契約した場合

・シンプルM(15GB、1年間18GB)+おうち割……月額2090円

・SoftBank 光(マンション2年、オプション)……月額4730円〜

・合計 月額6820円〜

 LINEのサービス重視なら、LINEMOと各社の光回線の組み合わせでもいい。LINEMOはSoftBank光での割引がないので、より安価な光回線があればそちらでもいい。

LINEMOと光回線を契約した場合

・LINEMO(20GB)……月額2780円

・各社光回線……4400円前後〜

・合計 月額7128円〜

●家族契約なら通信量もサービスもY!mobileが使いやすい

 次に家族契約について見ていこう。

 ソフトバンクの場合、家族や家族回線で親戚、同居人の回線が3つ以上あり、さらにソフトバンク光も契約した場合に、メリハリ無制限など通信量無制限や大容量の多いプランがお得になる。

 一方、家族などがY!mobileやLINEMOなど別ブランドに移行してしまうと、家族契約にカウントされる回線数が減って支払額が高くなる。そのため、通信量無制限は要らず通信量20GB前後かそれ以下でいい家族が多い場合は、家族ごと他社へ移行した方が安くなることが多い。ドコモ(ahamo含む)やau(povo含む)などに移行するのも1つの手だ。

 家族のほとんどが通信量3〜28GBの通信量以内で問題ない場合は、Y!mobileへ家族で乗り換えるのが一番お得だ。シンプルS/M/Lの3プランから最適なプランを選べる上に、Y!mobileの家族割引は2回線目以降だと月額1188円安くなる。さらに、ソフトバンク光と指定のオプションを契約している場合は、家族割引と割引は重複されないが、1回線目の契約者も月額1188円の割引が適用される。

Y!mobileで家族3人、光回線も契約した場合

・シンプルL(25GB、1年間28GB)+おうち割……月額2970円

・シンプルM(15GB、1年間18GB)+おうち割……月額2090円

・シンプルS(3GB、1年間4GB)+おうち割……月額990円

・SoftBank 光(マンション2年、オプション)……月額4730円〜

・合計1万780円〜

LINEMOで家族3人、光回線も契約した場合

・LINEMO(20GB)……月額2780円×3回線

・各社光回線……月額4400円前後から

・合計1万2584円〜

ソフトバンクで家族3人、光回線も契約した場合

・メリハリ無制限(無制限、テザリング30GB)+おうち割……月額4928円

・ミニフィットプラン+(1〜3GB)+おうち割……月額2178〜4378円

・SoftBank 光(マンション2年、オプション)……月額4730円〜

・合計1万6764円〜1万8964円

 LINEMOを家族で契約しても確かに安い。だが、Y!mobileと比べると通信量20GBのプランしかないので、家族ごとに合った節約は難しい。

 Y!mobileはこの他、キャリアメールや店頭サポートに対応。「かんたんスマホ」も販売しており、祖父母世代も含めて勧めやすいのも魅力だ。

 ここまで、主にソフトバンクや大手キャリアから、LINEMOとY!mobileへの移行について解説した。ソフトバンク自身が発表で口にしたように、Y!mobileは家族も増えてきたYahoo!JAPAN現役世代向け、LINEMOは1人暮らしでスマホ中心のLINE世代向けにベストな設計となっている。

 これまで家族でソフトバンクなど大手キャリアを使っていて、月額料金を大幅に安くしたいなら、Y!mobileが料金とサービスともにバランスが取れている。現在はLINEMOやahamo、povoの3サービスが注目されがちだが、家族で乗り換えるならY!mobileも加えておくといいだろう。