皆さんは、スマートフォンの端末ソフトウェア更新をリリース直後に適用しているでしょうか。私はできる限りすぐ適用するようにしています。

 11月30日、手持ちの「Galaxy Z Flip3 5G SC-54B」にソフトウェア更新がありました。端末を閉じた状態でカメラの映像を確認できないことがある不具合の改善と、セキュリティパッチの更新が目的です。

 もちろん、私はすぐさま更新に取りかかった……のですが、そこでトラブルが発生してしまいました。備忘録を兼ねて、その記録を残しておこうと思います。

●モバイル通信では更新できない……だと!?

 SC-54Bを含むサムスン電子製スマートフォンでは、同社が用意したシステムを使ってソフトウェア更新を行います。そのため、ドコモが発売する他社製のAndroidスマホとはアップデートの“雰囲気”が異なります。端末単体での更新だけでなく、「Samsung Smart Switch」というアプリをインストールしたWindows PCやMacとつないで更新することも可能です。

 NTTドコモのWebサイトの説明では、今回のソフトウェア更新はモバイル通信でも可能とされています。メーカー独自のシステムを使っているせいか、他社製のAndroidスマホとは異なり更新データのダウンロードに必要なパケット(データ)通信は有料なのですが……。

 私は「5Gギガホ プレミア」を契約しているので、データ通信料を気にする必要はありません。「とにかく早く更新したい!」とSC-54Bを操作して更新データのダウンロードを試みました。

 しかし、「Wi-Fi(無線LAN)に接続しないとダウンロードできない」という旨のメッセージが出てダウンロードできません。Webサイトの説明とは異なる状況になってしまったのです。

●テザリングしたPCとつないで更新してみたら……

 当時、私は外出中でした。近くに公衆Wi-Fiスポットもありません。

 そこでふと思い立ちます。Wi-Fiテザリングでインターネットに接続したWindows PCを使ってアップデートすればいいのではないかと。幸いなことに、私のWindows PCにはSmart Switchをインストール済みです。早速やってみることにしました。

 Windows PCとSC-54Bをつなぎ、Smart Switchアプリを起動し、ソフトウェア更新を実行します。最初はうまく進んでいるように見えました。最初は……。

 ところが、端末ソフトウェア書き換えプロセスに入ると、30分以上経過しても進捗(しんちょく)がありません……。ドコモのWebサイトの情報によると、PC経由の更新は約45分掛かるとのことだったので、計算上は3分の2(66%)くらい進んでいないといけないはずです。

 その後、さらに30分待ったのですが、やはり書き換えは終わりません。そしてあろうことか、PCとSC-54Bの接続がなぜか切れてしまったのです……。

 「やべぇ、これ、端末側は書き込み失敗だよな……」と思って端末を見てみると、こんな表示が出ていました。

 An error has occured while updating the device software. Use the Emergency recovery function in the Smart Switch PC software.

(日本語) 端末ソフトウェアを更新中にエラーが発生しました。PCバージョンのSmart Switchで緊急リカバリー機能を使用してください。

 ということで、SC-54Bは事実上の「文鎮」状態になってしまいました。

 当日はこの後、往訪取材の予定がありました。しかし私、こんな日に限って家に財布を置いてきてしまったのです……。SC-54Bの「おサイフケータイ」機能も使えないということになると、移動できなくなって“詰みます”。

 幸い、この状態でもおサイフケータイ機能は利用可能でき、往訪の予定は何とかこなせました。不幸中の幸いです。

●外出先で「緊急リカバリー」 しかしうまく行かない

 SC-54Bが「吐き出した」エラーメッセージにもある通り、GalaxyスマートフォンでSmart Switchアプリを使ったソフトウェア更新に失敗した場合、「緊急ソフトウェアリカバリー(Energency Software Recovery)」を実行できます。

 その名の通り、この機能はソフトウェア更新に失敗した端末の機能を回復するために存在します。端末ソフトウェアの書き換えに失敗した直後であれば、以下の手順で行えます。

1. PC/Macに出ているダイアログボックスの「リカバリーコード」をメモする

2. 「緊急リカバリー」をクリック

3. 端末名の横に出ている「緊急リカバリー」をクリックする

4. 注意事項をよく読む

5. PC/Macから更新に失敗した端末を取り外す

6. 注意事項に記載されている方法で端末を再起動する(再起動後も更新失敗を知らせる表示が出ますが問題ありません)

7. 端末が再起動したら再度PC/Macにつなぐ

8. 注意事項のダイアログボックスの「確認」をクリック

9. しばらく待つ

10. 正常にリカバリーできた場合は端末が再起動するので、その間にPC/Macから端末を取り外す

11. 「確認」をクリックして緊急リカバリーモードを終了する

 ソフトウェア更新に失敗した端末を認知している場合、Smart Switchアプリは起動の度に「アップデートに失敗した端末がある」旨の警告を出します。「次回から表示しない」にチェックを入れると再表示されなくなりますが、緊急ソフトウェアリカバリーはアプリのメニューからいつでも実行できます。

 往訪先での取材完了後、たまたま持っていた別のスマホでテザリングを実行した上で、緊急ソフトウェアリカバリーを実行してみました。

 するとリカバリーに必要なデータのダウンロードは問題なく進むものの、端末側でのリカバリーが全然進みません。具体的には、進捗(しんちょく)を示すプログレスバーは端末とPCの両方に出てくるのですが「0%」で固まってしまいます……。

 焦った私は、何度か端末の抜き差しや再起動を繰り返してみたのですが、状況は一向に改善しません。あれこれ試行したのですが、PCのバッテリーが干上がってしまい、リカバリー作業は進められなくなってしまいました……。

 「ほぼ文鎮」なSC-54Bですが、先述の通りおサイフケータイ機能は問題なく使えます。「ああ、これは修理行きかな……」「データ、バックアップ取ったのいつだっけ……」とか失意のまま家路に就きました。

●家に帰ったら5分で「回復」

 家に着いてすぐやることといえば、PCの充電とSC-54Bの緊急ソフトウェアリカバリーです。

 PCの充電が少し進んだ時点でSmart Switchを起動して、緊急ソフトウェアリカバリーを実行してみます。すると約5分で全プロセスが完了し、SC-54Bが再起動しました。

 数時間に渡って苦闘していたものが、たったの5分。何だったのでしょうか、今までの時間は……。

 再起動には少し時間を要しましたが、すっかり“元通り”となりました。最悪、端末の完全初期化(≒セットアップのやり直し)を覚悟していただけに、うれしい誤算です。

 Smart Switchを使ってGalaxyスマートフォンのソフトウェアを更新する場合は、安定していて高速なネット回線が欠かせないということがよく分かりました。今後はテザリングでムリしてやることは避けようと思います。

 スマホのソフトウェア更新は、めったに失敗するものではありませんが、失敗した場合のリカバリーを自分でできるということは非常に大きな安心要素だと改めて思いました。そういう意味で「iTunes」や「Finder」を使ってリカバリーできるiPhoneって本当に“偉大”だと思います。

 Androidスマホでは、ソニーのXperiaシリーズもWindows PC/Macを使ったリカバリーに対応しています(一部機種を除く)。比較的新しいモデルなら、Smart Switchと同様に端末内のデータを保持したまま修復可能です。Windows PC/Macに「Xperia Companion」をインストールして、所定の操作を行いましょう。

 ただ、iPhoneにしてもGalaxyにしてもXperiaにしても、Windows PCやMacを使わないとリカバリーできないことがユーザーによってはハードルとなります。Macやごく一部のWindows PCのように、スマホもクラウドリカバリーできるようになるといいのですが……。