Microsoftは5月25日、Windows 11上でAndroidアプリを動作させる機能「Windows Subsystem for Android(WSA)」のプレビュー版の提供国を、年内に日本を含む6か国に拡大する。開発者向けのオンラインイベント「Build 2022」にあわせて発表された。

 WSAは、Windows 11搭載PCでAndroidアプリを動作させる機能。仮想マシンの技術を使用。ウィンドウや通知などの表示方式をPC向けアプリとそろえて、PCアプリと同じ感覚で利用できるという点が特徴となっている。

 WSAは現在、Windowsのプレビュー版体験プログラム「Windows Insider」向けの機能の1つとして提供されており、米国に在住するWindows 11ユーザーのみが有効化できる。今回、プレビュー版の提供国を2022年内にフランス、ドイツ、イタリア、日本、英国に拡大すると公表した。また、正式版の提供予定時期についても、年内に詳細を案内するとしている。

●Amazon アプリストアでアプリを配信

 WSAは、Androidスマートフォン向けに開発されたアプリをそのまま動作させる仕組み。Windows 11上でAndroidの仮想マシンを動作させて、AndroidアプリをPCアプリのように操作できる。Windows 10時代から提供されていた「Windows Subsystem for Linux」をAndroidで応用したものといえる。

 Androidアプリの配信はGoogle Playではなく、Windows 11向けの「Amazon アプリストア」を通じて配信される。現在は限られたアプリのみが配信されているが、今後、一般のアプリ開発者も順次アプリを登録できるようになる。また、Androidアプリの実行ファイル(.apkファイル)を直接インストールする「サイドロード」も利用可能。

 WSAではアプリ内のマウスでの操作をタッチ操作に置き換える機能があり、タッチパネルやペン入力、キーボード操作にも対応。通知はWindows 11標準の通知エリアにまとめて表示される。

 WSAの導入によって、スマートフォン向けの各種アプリがWindows上で手軽に扱えるようになる。また、Androidアプリの開発者は、実機を用意せずに制作したアプリを検証できるようになる。

●Google Playには非対応

 WSAは、現時点ではGoogle Playには非対応となっている。そのため、正式に導入されたとしても、「スマホのアプリが全てPCで動く」ような状況にはならないだろう。MicrosoftはAmazonと協力して、アプリ開発者にAmazon アプリストアへの登録を促していく方針だ。

 なお、WSAではAndroidアプリの実行ファイルをそのまま動作させる設計になっているが、一部、最適化が必要となる場合もある。Build 2022のWSAに関するセッションではWindows 11のための改修が必要となる点が紹介された。

 Androidスマートフォンでの利用環境と比較すると、WSAでは「可変ウィンドウ」への対応がより重要となる。WSAで動作させるAndroidアプリは、他のWindowsアプリと同様に、ウィンドウサイズを変更しながら使えるような設計となっている。

 また、一部のGoogleサービスに依存するような機能は利用できない。例えば、アプリ課金についてはGoogle Playが利用できないため、Amazon アプリストアの代替機能を提供している。Googleのアプリ開発プラットフォームの「Firebase」を用いて開発している場合には代替サービスの「Firebase JavaScript SDK」へ移行するなど、対処が必要となるケースもある。