コーニングはスマートフォン向けの強化ガラス「Gorilla Glass Victus 2」を発表した。「スマートフォンの耐久性向上に寄与したい」としている。具体的にどの製品に採用されるのかについては非開示としているが、今後発売されるスマートフォンやタブレットなどに採用される予定という。

 コーニングは1851年に設立された、米ニューヨーク州コーニングに本社を置く世界最大級を誇るガラス製品メーカー。170年以上に渡り、ガラス科学やセラミック科学、光学物性に関する専門知識と、製造やエンジニアリングを結合し、ブラウン菅テレビや液晶ディスプレイ向けのガラスなどをメーカーに供給してきた。

 昨今のスマートフォンやタブレットなど向けに製造されているCorning Gorilla Glassの名で知られるカバーガラスは2007年に誕生。以来、各製品のために特別に設計された薄いガラスのシートとして、進化を遂げてきた。Gorilla Glassはこれまでに全世界80億台以上のデバイスと45を超える大手ブランドに採用されている。

 2018年にはGorilla Glass 6を発表。破損に対する保護が強化されることに加え、光学的透明度、高感度、耐傷性を維持するよう設計されている。

 2年前の2020年にはGorilla Glass 6の進化版であるGorilla Glass Victusが誕生。耐擦傷性が2倍になり、固く粗い表面への耐落下性も最大2mまで向上した。ガラスの厚さはGorilla Glass 6と同様、標準で0.4から1.2mmまでがそろっている。

 Gorilla Glass VictusはこれまでにGoogleの「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」、ソニーの「Xperia PRO-I」、シャープの「AQUOS R7」、中国Xiaomiから生まれたブランドPOCOのゲーミングスマートフォン「POCO F4 GT」、ASUSの「ROG Phone 6/6 Pro」に採用されてきた。

 材料事業部 Corning Gorilla Glass セールスエンジニアマネージャー 山口敬史氏は「昨今のスマートフォン、特にハイエンドクラスのもので、重量が増し、スペックアップとともに重量に耐えられるガラスが求められている」と懸念点を述べた。コーニングによると、「4年前と比べて重さは約15%、画面サイズも最大10%アップ」しているという。

 一方で、コーニングが実施した大規模な調査によると、世界三大スマートフォン市場と言われる中国、インド、米国内の消費者層の84%が、デバイス購入時の検討要素として「ブランド」そのものに次ぎ「耐久性を最も重視する」と回答している。

 さらなる耐久性が求められる中、新たに開発されたのがGorilla Glass Victus 2だ。「1から部材を見直し、優れた耐落下性能を持たせた」(山口氏)というものの、部材を具体的にどう見直したのかや、強化層の数字については非公表としている。

 Gorilla Glass Victus 2の耐落下性は最大2mとGorilla Glass Victusと同じだが、コーニングはラボ試験においてコンクリートとアスファルトを模擬した表面で、落下時の耐久性を検証。「ガラスの耐久性を求めるのには最も過酷な条件をクリアした」(山口氏)という。

 ラボ実験において、コンクリートを模擬した表面に最大1mの高さからGorilla Glass Victus 2を落下させても破損を免れた。競合他社(社名は非公表)製のアルミノシリケートガラスの場合、50cmもしくはそれ以下の高さからでも破損してしまう。さらに、アスファルトを模擬した表面へは、最大2m高さからの落下耐性試験でも破損を免れ、競合のアルミノシリケートガラスに比べて最大4倍の耐擦傷性を誇るという。

 なお、製品名が「Victus」となった具体的な理由は非開示のままだが、Victusはラテン語で「生きる」「生き残る」といった意味であり、Victus 2ではコンクリートへの落下耐性を重視し、厳しい条件でも耐えられるガラスへと進化した“タフさ”を、コーニングはアピールしている。