都内で雪が降った日、駅の自販機で温かい飲み物を買うとき、「Apple Watch Series 9」のSuicaを使った決済が行えなかった。

 原因は、冬の時期の防寒として身につける、手袋やコートの袖。Apple Watch Series 9にこれらが当たっていたため、決済ができなかったようだ。素材は外側がコートがウール、内側がポリエステル、手袋が本革と金属だ。厚さは合わせて5センチほどだった。

 当初は、厚さが起因しているのかと思ったが、主な原因は金属による干渉だろう。

 Apple WatchのSuicaは、本体内のFeliCaと決済端末が通信することで、決済できる仕組み。

 同じFeliCaの技術を使う「ソニー製FeliCaリーダーの取扱説明書」には、「本製品の近傍に金属または電磁波を発生させるものがあると、干渉により 電子マネーカードとの通信ができない場合があります。干渉しないように 離してお使いください」とある。

 そのため、今回は、手袋のファスナーに使用された金属が、FeliCaと決済端末の通信を邪魔していた可能性がある。

 金属製ファスナーのない手袋や、薄手の手袋の場合は手に付けたままでも、問題なく決済が行えるだろうが、金属が使用された手袋を身につける人は注意したい。

 それに、手袋をつけているせいで、Apple Watchのディスプレイが意図せず点灯したり、誤操作につながったりする可能性があるので、Apple Watchに何も当たっていないことを確認してから決済しよう。

●Apple Watch×手袋以外の手段はある?

 では、手袋もApple Watchも身につけて、決済の度に手袋を外したり、まくったりするのが面倒な場合、他の手段はあるのだろうか。

 結論からいえば、他の手段はある。それは「iPhone」だ。Apple WatchのFeliCaが反応せず、厄介だと感じるなら最終的にiPhoneに頼ればよい。

 Apple WatchはiPhoneが手元になければセットアップできないため、「Apple Watchは持っているけど、iPhoneは持っていない……」というケースはまれだろう。

 細かいことをいうと、親がファミリー共有設定をしたApple Watchを子どもに持たせる」というケースはあるが、本筋から逸脱してしまうので、今回はいったんお預け。

 そうではないApple Watchユーザーなら、手元のiPhoneで決済をするようにしよう。確かにApple Watchの方が腕に身につけておけるし、iPhoneのようにカバンから取り出す動作も不要なので、Apple Watchの方が楽といえばそうだが、iPhoneのSuicaが確実だろう。

 iPhoneは、よほど分厚いケースを装着していなければ、問題なく決済できるはずだ。しかも、Suicaのエクスプレス設定を終えると、Touch ID/Face IDなしで改札を通過したり、決済したりできるので楽だ。

●Apple Watch→iPhoneへのSuica移行、SuicaID番号は変わる?

 Apple Watchで使っていたSuicaを、iPhoneに移してから使う場合、転送時にSuicaID番号(JEで始まる17桁の番号)が変わってしまう。すると、Suicaをポイントサービス「JRE POINT」に登録している人は、こう思うはずだ。「SuicaID番号の変更でポイントがたまらなくなるのでは?」と。

 JRE POINTは、専用サイトで登録手続きの済んだSuicaで、改札を通過したり、買い物をしたりする度にポイントがたまる。

 Suicaの再発行などの際はSuicaID番号が変更となり、変更後のSuicaID番号をJRE POINTに登録しないと、ポイントがたまらなくなってしまうが、「iPhone・Apple Watch間でSuicaを転送」した場合は再登録手続きは不要だという。Q&Aのページにもこう書かれている。

Q:iPhoneからApple WatchにSuicaを転送したらJEで始まるSuicaID番号が変わりました。JRE POINT WEBサイトでの手続きは必要ですか?

A:「iPhone・Apple Watch間でSuicaを転送」したことによりSuicaID番号(JEで始まる17桁の番号)が変更となった場合、手続きは不要です。

 この場合、鉄道利用でたまるポイントをはじめ、登録したSuicaに関連するポイントは、「SuicaID番号変更前のSuica」でのご利用分を含め、そのままでポイントが貯まります。(JRE POINT WEBサイト上のSuicaID番号の表示が更新されるまで1日程度時間がかかります)

 ポイントからSuicaへのチャージや、(JRE POINT用)Suicaグリーン券についても、元のSuicaID番号が表示されている場合でも、登録されているモバイルSuicaにチャージ・グリーン券の受け取りをすることができます。

 この文を読むに、Apple WatchからiPhone(逆も)にSuicaを転送することで、SuicaID番号が変わったとしても、問題なくJRE POINTをためることができるようだ。

●個人的にはiPhoneでの決済がおすすめ

 ここまでお伝えした通り、冬の時期になると手袋にコートにと厚手の洋服を着て、外出することが多く、それがApple Watch決済の妨げになっていたようだ。

 iPhoneかApple Watchのどちらで決済しやすいかは人によって考え方が分かれるだろうが、暖かくなる時期までの間はiPhoneで決済したいと思う。