Zホールディングス(ZHD)は3月1日、傘下のヤフーとLINEが同日付で経営統合したと発表した。サービスの国内総ユーザー数は3億人超、従業員数はグループ全体で約2万3000人となり、国内最大規模のWebサービス企業が誕生した。ZHDは今後AI分野に積極的に投資し、2023年度に売上高2兆円を目指す。

 経営トップにはヤフー出身の川邊健太郎氏、LINE出身の出澤剛氏がCo-CEO(共同最高経営責任者)として就任した。川邊氏は「お互いにいいプロダクション文化を持っている。尊重し合い、お互いにいいものを取り入れて融合していきたい」と話す。

●全サービスにAIを実装、2023年度に売上2兆円目指す

 ZHDは今後、全サービスにAIを実装させる方針。特に注力するのが「コマース」「ローカル・バーティカル」「フィンテック」「社会」の4領域で、2社が持つ事業の強みを生かした展開を行う。

 例えば、コマースの領域ではメッセージアプリの「LINE」とECサイト「Yahoo!ショッピング」を活用。LINEで友達に商品をプレゼントする「ソーシャルギフト」や、複数の友達と商品を購入する「共同購入」に加え、動画配信サービス「LINE LIVE」を活用し、インフルエンサーによる商品紹介サービスを始める。ソーシャルギフトは今夏、共同購入は2021年中に開始する予定。

 また、実店舗とネットショッピングを連携させた「X(クロス)ショッピング」にも注力する。ユーザーの状況に応じて商品の価格を変動させるダイナミックプライシングの導入も検討する他、オンラインショップの開設を支援する「Smart Store Project」も21年上半期にリリースする予定だ。

 これらを通じ、ZHDは20年代前半にECの取扱高で国内ナンバーワンを目指すとしている。

 飲食や旅行事業を手掛ける「ローカル・バーティカル」の分野では、ITを活用した各店舗の集客支援などを行う。

 ヤフーとLINEは「Yahoo!ロコ」「一休.com」という複数の飲食店予約サイトを持つ。ZHDはこれに加え、LINEアプリ内で新たに飲食店予約サービス「LINE PLACE」を提供する予定。「複数のサービスから集客のお手伝いをしていく」としている。

 旅行分野でも「Yahoo!トラベル」と「一休.com」があるが、ZHDは「両社のシナジーを生かし、一層の集客、効率的なマッチングを実現する」としている。

 「フィンテック」領域では、スマホ決済サービス「LINE Pay」の国内事業をPayPayに一本化し、国内最大手の立ち位置を狙う。「社会」領域では、LINEとマイナポータルを連携させ、LINEアプリ上で罹災証明書の発行など行政手続きのオンライン申請が行えるサービスを提供することも発表した。

 全サービスの軸となるAIには、向こう5年間で5000億円を投資し、3年間でエンジニアやデータサイエンティストを中心に5000人を採用する予定。2023年度に売上高は19年度実績(1兆529億4300万円)からほぼ倍増となる2兆円、営業利益は過去最高の2250億円を目指すという。