窪田製薬ホールディングス(東京都千代田区)は5月17日、近視を抑制・治療する眼鏡型のウェアラブルデバイス「クボタメガネ」について、医療機器として台湾当局から製造許可を取得したと発表した。2021年中に数百台の生産と、販売台数も数百台を目指す。台湾での販売価格は日本円換算で約50万円を下回る見込み。

 クボタメガネは、特殊な光で目に刺激を与える独自技術「アクティブスティミュレーション」を活用した、近視治療のデバイス。ドイツとスイスから部品を調達し、最終的に台湾で手作業で組み立てる予定。

 日本国内での生産については「規制の問題で許認可の承認が出ていない」として未定。海外での臨床試験とともに、販売面でも実績を積み、日本国内での製造・販売を目指す。

 同社によると、アジアは近視患者が多い地域だという。シンガポールやタイ、マレーシアなどの国が生産拠点の候補に挙がる中、「高額なデバイスであることからGDPなどを鑑みて台湾での生産を決めた」(窪田製薬)という。米国との対立関係にある国際情勢に加え、技術の特殊性から「模倣されるリスクがある」(同)として、中国は生産拠点の候補から外した。

 近視の多くは、網膜が本来の位置よりも後ろに伸び、遠くのものに対して焦点が合わなくなった「軸性近視」という症状だ。クボタメガネでは、着用者の網膜周辺に光とともにぼかした像を投影。伸びてしまった角膜から網膜までの長さである「眼軸長」を短縮することで近視の根本原因の治療を図る。「遠くの風景を見続けると、視力が回復する構造に似ている」という。

 近視治療のための商品は複数あるが、同様の仕組みを採用している類似品はなく、世界初の製品となる。今後は専用アプリを使った追加機能の実装も検討する。