米パデュー大学は9月16日、同大学の研究チームが開発した白い塗料が、世界で最も白い塗料としてギネス記録に認定されたと発表した。この塗料は地球温暖化の抑制を目的に開発されたもので、太陽光の98.1%を反射し、赤外線も放出する。太陽の熱を吸収する量が放出する量よりも少ないため、この塗料を塗った部分は、周囲より冷えるという。

 白色は太陽光を反射する色として知られている。しかし、排熱を目的に作られた塗料でも太陽光の80〜90%しか反射せず、赤外線も通してしまう。そのため、白色の物体も太陽光に照らされると熱を受け、暖まる。

 太陽熱の吸収を抑制し、建物内部への熱の侵入を抑えて室内温度を上昇しづらくする遮熱塗料は、1970年代から研究が始まっている。この研究を手掛けたXiulin Ruan教授は、エアコンに代わるものとして太陽の光をより反射させる白色塗料の開発を目指し、100以上の材料を検討。10の素材を50の異なる配合でテストした。

 開発した白色塗料には、写真用紙や化粧品にも使われる硫酸バリウムが高濃度で含まれている。硫酸バリウムはとても高い反射率を持つため、より白い白色を実現できる。粒子のサイズによって散乱する太陽光の波長が異なるため、さまざまなサイズの粒子があることで、太陽光をより多く散乱させることができる。

 パデュー大の研究者の論文によると、この塗料を使って約1000平方フィート(=約93平方メートル)の屋根を覆うと、10キロワットの冷却効果が得られるという。「これは、ほとんどの家で使われているエアコンよりも強力だ」とRuan教授は説明している。

 ただし、周囲より冷えるとする説明に対し、Twitterでは「熱力学第二法則に反するのでは」などと疑問視する声も上がっている。一方で、物理化学の専門家である京都女子大学の小波秀雄名誉教授は「非平衡系であるため、その(熱力学第二法則に反するという)論理は使えない。とはいえじっくり読んで考えないといけない」ともコメントしており、冷却効果については議論がある状況だ。