「実態が悪いということを正直に正面から説明すべき」──ソフトバンクグループの孫正義会長は8月8日、2023年3月期第1四半期(22年4月1日〜6月30日)の決算が“同社史上最大規模の赤字”となったことを受け、会見で要因を説明した。

 SBGの23年3月期第1四半期連結業績は、売上高が1兆5720億円で前年同期比6.3%の微増。一方、四半期損益は3兆1627億円の赤字だった。これは同社史上最大規模という。世界的な株安と急速な円安が赤字の要因としている。

 投資ファンド「Vision Fund」では、20年第4四半期3.7兆円あった投資事業の四半期利益が、2年後の22年第4四半期には約3兆円の赤字に。23年第1四半期も2億9350億円の赤字になった。結果、Vision Fundの累計利益はピーク時の7兆945億円から1122億円まで転落した。

 孫会長は発表会中、終始暗い表情と声色で反省の意を表し続けた。

 「合計6兆円もの赤字をこの6カ月間で出した。しっかりと反省し戒めとして覚えておきたい」「7兆円あった利益がほぼゼロになった」「21年は(投資で)5兆円くらい利益を出して、やや有頂天になった。結果大きな評価損を出してしまった」「この冬がどのくらい続くかは分からない」「悩みが頭髪にどんどん出てきている」──など。

 半導体事業の英ARMは堅調に成長したとも説明したが、数秒触れただけですぐに反省に戻った。

 SBGは今後の投資について、6カ月で約6兆円の赤字を出したことから、投資先を徹底的に厳選する方針を示した。人員削減を含めたファンドの運営コスト削減、既存の投資先の価値向上などを目指す。

 「株式市場が大きく下がっている今こそ、投資したいというはやる気持ちはあるが、それを今やると、取り返しのつかない痛手を負う」

 加えて、自己株式の取得も追加で進める。SBGは21年11月から1兆円の自己株式取得を行っているが、8月9日から1年間でさらに4000億円分を取得する。