正直、POCOという名前だけを聞いたときには、すでにXiomi(Mi)とRedmiという2つのスマホラインを抱えているXiaomiがこれ以上なにをするのだろうかと思っていました。

 ただ、今回POCO F4 GTを試して、このPOCOというラインが、これまでのXiaomiのスマホのラインとは別に存在していることの意味はけっこうあるのだということが理解できたので、その説明をしておこうという次第です。

 まず、今回お借りしているのはXiaomiの「POCO F4 GT」。スペックを見ると、Xiaomi本来のラインである「Xiaomi 11t Pro」を性能で上回るSnapdragon 8 Gen1を搭載しており、リリース時コスパ最強と騒がれたのも納得ができます。ただ、すでにXiaomi 12T Proも日本で発売されるのではないかという噂もあり。そちらも気になるとところではあります。

 また、そのデザインの感じから、ゲーミングスマホっぽさも感じるところがありますが、ゲーミングスマホと言い切るには、世の中にもっとゲーミングに最適化されたスマホがあったりもします。

 ということで、まずはそのゲーミングとして性能を確認したいなと考え、最新であり、同時に高いグラフィックス性能が要求される「ディアブロ イモータル」をプレイしてみました。

 Razerのモバイルゲーミングコントローラー「KISHI」のディアブロ イモータル仕様が手元にあったりするので遊んでみたかったというのも正直なところあります。

 まるでSwitchやSteam Deckのような見た目になりますね。さらに裏から見ると、スマホがコントローラーの中で浮かんでいるように配置され、それがスピーカーから出る音をさらに響かせているようでもあり、スマホゲームでもコントローラーでやりたいという人に、この構成はお勧めです。とはいえ、ディアブロ イモータルってスマホだけの操作でも、ぜんぜん問題なく遊べるゲームでもあります。

●ポップアップトリガーとは何か

 さて、POCO F4 GTには他のスマホにはあまり見られない2つのボタンがあります。ボタンをスライドさせるとスイッチがシュと出てくるのがポップアップトリガーです。LR両方にあるこのポップアップトリガーには「2回押す」と「長押し」で2つの機能を割り当てることができます。

 設定可能な機能は、カメラ・ビデオ録画・画面録画・録音・懐中電灯・サイレントモード・バイブレーション(ゲーム中は特定のキーにアサインも可能)。

 なぜ、これらの機能が設定できるように設計されているのか、しかも3番目に画面録画が設定されているか、それはこのスマホが横持ちで使うスマホとしてデザインされていると考えると、実に納得できる機能の割り振りになっているとは思いませんか? ちなみにマイクは横持ちしても手で隠れない位置に設定されています。

 動画やマンガでは縦デザインにすることがスマホで消費するコンテンツの最適化手法であることなんてことが言われ、すでに実践もされています。

 でも、Netflixのようなもので、ドラマとかアニメとか映画とか見ようとすれば、当然横持ちになります。ゲームにしても、本格的なMMOなんかはスマホ版でリリースされるようになっていますから、こういったゲームを楽しむのも横持でプレイするものが多いわけです。

 仮にゲームや動画だけに絞っても、テレビ・PC・タブレット・スマホで縦持ち・スマホで横持ちと利用形態は多様であり、基本そこはソフトウェアによるUI設計で最適化が進んでいます。

 ただ、ソフトウェアにも当然限界はあり、スマホというデザイン制約が多い世界で別ラインを作ってまで、ハードウェアによるUI最適化にまでXiaomiは挑戦しようとしているわけです。これは企業のデザインに対する姿勢として評価すべきことだと思います。

 Xiaomiはもう中国本土だけではなく、世界中でスマホを売りまくっている会社です。そうなると、今までのラインは、どうしてもスマホのデザインが保守的なものになります。すでにあるRedmiについては、低価格帯という位置付けですしね。

●スマートフォンのデザインはどれも同じ?

 というのも、スマホのデザインって、意外とあれこれやれる要素がないわけです。大きくフラットな全面のスクリーン、カメラ、かつそれをできるだけ、軽く薄く作らないといけないからです。現在のスマホのデザインがわりとどれも同じような感じになっているのも、仕方がない部分はあります。

 でも、そうやってXiaomiのスマホのラインとデザインの関係を整理してみると、こういう感じになると思います。

・確実に使えるXiaomi・Redmi

・遊び要素が多くデザインの実験場でもあるPOCO

 そして、そんな複数のデザインの違うスマホのラインが実現できているスマホメーカーがどれだけあるのだろうか? とも考えるわけです。Xiaomiがラインの違いを明確にしているのは、POCO F4 GTの販売をオンラインのみとしていることからも分かります。

 スマホの進化もこの10年で以前と比較すれば、1年単位での変化は小さくなっています。でも、まだまだスマホにはやれることがあるのではないかということを改めて考えるいい機会となりました。とりあえず、電源入れるとPOCOって出てくるのかわいいです。

 箱もXiaomi本体のラインとかなりデザイン変えていますしね。

 なお、偶然ですが、今Xiaomi公式ストアでは、Xiaomi公式サイト1周年記念祭をやっていたりしますので、この機会にXiaomiのいろんな製品をデザインの観点から見てもいいのではないかと思います。

(いしたにまさき)