盛岡消防本部(瀬川浩樹消防長)などは、救急・消防車両、岩手県防災ヘリ、ドクターヘリと患者や位置情報を共有できるシステムを開発した。県央消防指令センター(盛岡市)から電話やファクスで行っていた出動要請の簡素化や救助の時間短縮、伝達ミスの防止が期待される。本部によると同様のシステムは全国初で、2026年度の運用開始を予定している。

 新システムは、同センターが要救助者らの位置情報や年代性別、けがの程度などを通報者から確認し、入力した文字データなどを即座に共有。車両やヘリに搭載する専用端末で閲覧できるようになる。従来は通報者の電話対応とヘリ要請を複数人で行っていたが、1人で可能となる。

 救助現場では、地上の消防隊員がヘリ着陸の安全管理を担う。現在、着陸準備が整っているかどうかを無線や電話で確認しているが、衛星利用測位システム(GPS)を使った位置情報や活動状況がシステム上で分かるため、ヘリが上空で待機するといったロスが減る見通しだ。