NHK連続テレビ小説「虎に翼」(総合など)の第8週「女冥利に尽きる?」(第36〜40話)が20日から放送される。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く朝ドラ。女優の伊藤沙莉が主人公の佐田寅子役を演じる。主題歌「さよーならまたいつか!」を歌うのは、シンガー・ソングライターの米津玄師。朝ドラ「カーネーション」(2011年度後期)で主演を務めた女優の尾野真千子が「語り」を担当する。

「虎に翼」第7週「女の心は猫の目?」振り返り

昭和14(1939)年春、高等試験(現在の司法試験)に合格した寅子は、「共亜事件」の裁判で知り合った弁護士、雲野六郎(塚地武雅)の事務所に弁護士の司法修習生として入所。裁判官になるために修習していた花岡悟(岩田剛典)が修習試験を突破したため、花岡の希望で寅子は2人きりで祝いの会食をした。義姉の花江(森田望智)らは、花岡からのプロポーズを期待。寅子はそんな展開を否定しながらも、花岡に対し淡い恋心を抱えていた。花岡はその席で、故郷・佐賀への赴任が決まったことを報告。寅子はなかなか会えなくなることを寂しがったが、動揺するほどではなく、別れ際「お互いに頑張りましょうね」と握手を求めた。花岡も「じゃあ、また」といつものような明るい笑顔で去っていった。

翌春、またもや高等試験に落ちた学友の山田よね(土居志央梨)が手伝いとして雲野の事務所で時々働くことになった。戦時体制が強まるなか、その年の10月、寅子は正式に弁護士資格を取得。寅子は、名実ともに女性初の弁護士になるため、今まで以上にやる気を見せたが、依頼人たちは女性であることを理由に寅子の担当替えを要求。法廷に立てない日々が続く寅子の焦りは募る一方だった。

そんななか、一緒に高等試験に合格した先輩の久保田聡子(小林涼子)が婦人弁護士として初めて法廷に立つことになった。寅子は、よねたちと久保田の晴れ舞台を見守ったが、閉廷後、帝都新聞の記者、竹中次郎(高橋努)から、女性弁護士の活躍は、徴兵で男性が減った社会の機能を維持するべく敷かれた挙国一致の総動員体制を宣伝するために利用されているとの見立てを聞かされる。また久保田は結婚・妊娠もしていた。やるせない気持ちになった寅子たちは、その後、花岡と遭遇。花岡は、寅子たちに婚約者の小高奈津子(古畑奈和)を紹介した。言葉を失った寅子は帰宅するや否や、両親にお見合い相手を探してほしいと土下座し、立派な弁護士になるため、社会的な信用度、地位を上げる手段として結婚したいと訴えた。

よねたちは、寅子の思いを知りながらプロポーズもせず、婚約のことも黙っていた花岡を責めた。花岡は、結婚相手には家庭に入ってほしいという願望を持っており、かと言って寅子が大勢の人の思いを背負って追いかけている夢を諦めさせることもできないと葛藤していた。

10年ぶりに寅子の見合い相手探しが始まったが、27歳になった寅子の相手はなかなかみつからず、弁護の仕事も依然として依頼人から担当を断られ続けた。そんな彼女の前に現れたのが、猪爪家にかつて下宿していた佐田優三(仲野太賀)。弁護士になることを諦めた優三は寅子の父、直言(岡部たかし)の工場に住み込みで働いており、寅子の縁談について話しているのを耳にし、寅子の結婚相手に立候補した。寅子は、優三との婚約を決意。直言と母、はる(石田ゆり子)は、娘の決断に驚きながらも、2人を祝福した。婚約した寅子の社会的地位は上がり、早速、弁護士として初仕事をゲット。堂々たる法廷デビューを果たした。

2人は式を行わず、結婚後は、寅子の部屋で休むことになった。迎えた初夜、2人は少し緊張気味だったが、優三は、寅子に指一本触れないことを宣言。2人の結婚が普通とは異なることを強調した。寅子も「そうよね、ごめんなさい」と返すが、優三はここで「まあ僕はずっと好きだったんだけどね、トラちゃんが」と告白。寅子はその言葉に驚き、夫を叩き起こした。優三は「話すつもりはなかったんだけど、つい口から出てしまって」と困り顔。そして「僕はね、自分が高等試験に合格できなかった時点でトラちゃんへの思いを告げることはないだろうって思ってたんだ。でも、お父さんから話を聞いて、誰でもいいなら当たって砕けろって…!(と思った)」と本音を明かし、「だからご心配なく。トラちゃんに見返りを求めたりしないし。今までどおり書生の優三さんとして接してくれて構わないから」と寅子を気遣った。

「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」あらすじ

結婚した寅子は、手伝いとして働くよねとともに子の親権を義父と争う女性、両国満智(岡本玲)の依頼を引き受ける。弱い女性の味方になろうと奮闘する寅子だったが、満智のうそを見抜くことができず自分の甘さを痛感する。

そんななか、寅子は久保田が弁護士を辞めることを知る。自身も子供を授かるが、無理をしすぎて倒れてしまう。限界を感じて弁護士を辞める決意をした寅子はやがて、娘の優未(ゆみ)を出産する。幸せな暮らしを営んでいたが、優三のもとに召集令状が届き…。