7月4日(木)から放送が始まる連続ドラマ「ギークス〜警察署の変人たち〜」に出演する、松岡茉優、田中みな実、滝沢カレンへのインタビュー。後編では、それぞれが演じる役どころをさらに掘り下げ、役柄と共通している部分などを明かしてもらった。

「ギーク(GEEK)」とは、言うなれば賢いオタク。松岡、田中、滝沢の3人が、卓越した知識や技術を持つが、人間関係に少々難ありの警察署勤務の「女ギーク」に扮(ふん)し、難事件を解決へと導く姿を描いていく。主人公の西条唯(松岡)は優れた記憶力の持ち主で、物ごとの細部を即座に把握できる高い証拠分析能力も持ち合わせる。産業医の吉良ます美(田中)は、プロファイリングもお手のものの心理分析のプロ。交通課員の基山伊織(滝沢)は、地域の情報すべてが頭に入っているほど地理に精通している。

――田中さんと滝沢さんは、松岡さんが演じる西条という女性の魅力をどう捉えていますか?

田中「西条はしっかり者で、好きなものや興味があることに対してグッと入り込むタイプゆえ周りが見えてない。自身の感情を言語化することが苦手だったり、言い方が少し強くなっちゃったりするところがあるのかな。あとは、距離感に厳しい(笑)!私たち以外の誰かと接する時の一つ一つのリアクションがとてもかわいいなと」

滝沢「いい意味で動物っぽいのかな」

田中「どんな動物?」

滝沢「動物そのもの。犬とかなんでもいいんですけど…」

松岡「何でもいいのね(笑)」

滝沢「本能で行きたいところに進むまっすぐさというか…。もちろん、周りの人のことを考えることもできるのですが、それ以前に、起きていることにまっすぐ突き進む感じとか。それを正義感と言うときもあれば正義感じゃない時もあると思いますが、そんな西条の気質は、生きていくうえで必要な力みたいな。自分のことを守る力が一番強いのが西条さんなのです」

田中「確かに、西条は自分のことをすごく大切にしているね」

滝沢「自分の時間とかも」

田中「実は案外できていないことなのかもしれないよね。西条は、人にどう思われようとも自分を大切にするから、かっこいいなと」

――松岡さんご自身は、西条のオタク気質についてどう受け止めていますか?

松岡「西条がハマっているジグソーパズルの1ピースは、ペットボトルの蓋ぐらいの大きさを想像してたのですが、実は、その4分の1くらいのサイズ。それを完成させたとき、どんな気持ちなのかなと考えたら興奮してしまいました。でも、彼女はこれを何百回とやってきているから興奮するのではなく、喜びが湧き上がってくるという方が近いかなと。あと、西条は喜怒哀楽を出すのが苦手で、怒る感情は割と出せるのですが、思いっきり喜んだり楽しんだりすることができない人だろうなと考えて、フツフツと沸き上がるような感情表現をしようということで落ち着きました」

――田中さんは本読みの際、監督から「吉良の色気が過ぎる」と言われたそうですね

田中「山内(大典)監督に言われましたね」

松岡「ご本人の魅力がありすぎるからですよ(笑)。みな実さんがスタッフさんやキャストさんとしゃべっているのを見ていると、うっかり恋しちゃいそうだな、と感じています。」

滝沢「みな実さんは話しやすいですよね。色っぽいというより、ヘルシーだなと。美人なのにしゃべりやすいみたいな感じです」

松岡「わかる! だから、好きになっちゃうんですよ」

滝沢「相談もしたくなりますし」

松岡「そうそう。色っぽさを完全に排除するのではなくて、サバサバという言葉とも少し違う気もしますが、今のみな実さんが解釈した吉良さんの雰囲気がすごく好きです」

田中「確かにサバサバではないのよね」

滝沢「女性に見えるけど女性ではないというか」

松岡「そうかも! 3人の中で一番そう感じるかもね」

田中「実は、この中で一番男性に興味がないのかも。イケメン好きを自称しているものの、実際のところ、そんなに興味がないというか・・・」

松田「興味がないからできるんだよね。そういうことって」

田中「監督には『おばちゃんぽくしてみますか?』とご提案いただき、おばちゃんっぽさを意識してみましたが、吉良の設定は35歳で、自分もその年齢を経験してきたから、35歳でおばちゃん感を出し過ぎると無理が生じるなと。しかし、年上感は出したいし、色気は出したくないし、というところで私なりに落としどころを見つけたつもりなので、お楽しみに!」

――“はぐれ者トライアングル“とされるこの3人は、仕事も対人関係でも合理的に立ち回り、“省エネ3人組”と括られることもあります。ライフワークバランスを大事にしている3人との共通点があったりしますか?

田中「私は、人間関係もすごくそぎ落として生きているという自覚があります。人付き合いは楽しいです。でも、時に煩わしく、意図せず誰かと傷つけてしまうこと、傷つけられることもあって…。もう、そういうのがしんどくなっちゃいました。なので、プライベートはいたってシンプルに。“これからも、ずっとかかわっていたい”と思える人たちと時々会って笑い合えたら十分です。

――ミニマリストというか、持っているものも少なめですか?

田中「少ないわけではないけど、例えば、洋服を一着買ったら一着手放すようにしています。そうやって物を増やさないようにしているので、家は常に整頓された空間です」

松岡「本当にきれいなんですよ」

田中「前に一瞬寄ってくれたよね」

松岡「びっくりするくらいきれいでした!」

――松岡さんも西条の感覚に共感しますか?

松岡「この3人は、なるべくスムーズに、少しのエネルギーで長く走るのを目指していて、総合的にエネルギー量が下がっている感じです。だから、3人共、効率良く頑張っていますが、サボるとか諦めるとか、やめとこうは3人ともないと思います。1カ月半くらい、この3人で過ごしてきましたが、私たちも西条たちのそういうスタンスと共通しているかもと思っています」

――松岡さんも合理的に生きて行くタイプですか?

松岡「どちらかといえばそうかもしれません」

田中「確かに省エネというか合理的だね。多分3人とも」

松岡「そうかも。ややこしいことは好きじゃないよね」

田中「あと、みんなせっかちじゃない?」

松岡「せっかちだね!」

田中「せっかちだから、撮影が終わったらすぐに着替えたくて、私は廊下から衣装を脱いでいます」

松岡「一緒!だから3人でまとめて着替えているよね。」

田中「うん、一緒に着替えるね、狭〜いところで」

――滝沢さんはいかがですか?

滝沢「私は、友達が私の知らない友達を連れて来たら一切しゃべらなくなります。この人を信頼してもいいのかと考えちゃう。すごく疑問を抱いて、その人が最悪なことをするイメージが頭に浮かんでしまいます。私がしゃべったことを、この人は誰かに言っちゃうかもと思って、何もしゃべれなくなるので、そういう時は無理して変な会話をするよりも静かにして話を聞こうという省エネさは持ってるかな。こういうところ直したいんですけど…」

松岡「治さなくていいよ。友達の連れてきた友達は他人だよ。」(おわり)

【プロフィル】

松岡茉優

1995年2月16日生まれ。東京都出身。08年、テレビ東京のバラエティー「おはスタ」のおはガールを務めて注目される。以降、13年「連続テレビ小説 あまちゃん」(NHK)、15、16年「コウノドリ」シリーズ(TBS系)、22年「初恋の悪魔」、23年「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(共に日本テレビ系)などのドラマのほか、映画「勝手にふるえてろ」(17年)、「万引き家族」(18年)、「蜜蜂と遠雷」(19年)、「愛にイナズマ」(23年)などに出演。9月8日開幕の舞台「ワタシタチはモノガタリ」に出演。

田中みな実

1986年11月23日生まれ。埼玉県出身。09年、TBS入社後アナウンサーに。14年、TBS退社後、フリーになり女優としても活躍。連続ドラマ、19、20年「ルパンの娘」シリーズ(フジテレビ系)、21年「俺の家の話」「最愛」(共にTBS系)、22年「あなたがしてくれなくても」、23年「ばらかもん」(共にフジテレビ系)、24年「Destiny」(テレビ朝日系)、映画「マスカレード・ナイト」(21年)、「映画 イチケイのカラス」(23年)にも出演。7月期連続ドラマ「ブラックペアン シーズン2」にも出演。

滝沢カレン

1992年5月13日生まれ。東京都出身。08年、雑誌「Seventeen」のモデルオーディション「ミスセブンティーン2008」でグランプリを獲得、モデルデビューを果たす。現在はファッション誌「Oggi」の専属モデルを務める。女優デビューは、09年公開の映画「ROOKIE-卒業-」。15年「踊る!!さんま御殿!」の出演で注目を浴び、タレントとしてさまざまなバラエティー番組に出演。ドラマ出演は19年「G線上のあなたと私」(TBS系)22年「未来への10カウント」(テレビ朝日系)など。