NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第37話が21日、放送され、ヒロインの大学時代の先輩、久保田聡子(小林涼子)が仕事と家庭の両立に苦しむ本音を打ち明けたシーンに、視聴者からさまざまな感想が寄せられた。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く「虎に翼」。女優の伊藤沙莉が主人公の佐田寅子を演じている。ドラマは第8週「女冥利に尽きる?」(第36〜40話)が放送中で、昭和18(1943)年5月、寅子が第一子を妊娠した。家族は心配するが、久保田も妊娠、出産後も弁護士として活躍しているとし、時機を見て所属する法律事務所の代表、雲野六郎(塚地武雅)に相談すると伝えた。

そんなある日、寅子は裁判所で久保田と再会。「ごめんなさいね。お仕事中なのに。どう? お仕事の方は。順調なの?」と、以前とは異なり、女性らしい言葉遣いの久保田に少し戸惑う寅子だったが「ええ、なんとか」と近況を伝えた。寅子の違和感に気がついた久保田は、女性らしいしゃべり方をするようにと先輩に注意されたと説明。そしてうつむきながら「今度、夫の実家がある鳥取に家族と移り住むことにしたの。弁護士の仕事も辞めると思う」と告げた。驚きのあまり言葉を失う寅子。久保田は、同期の中山千春(安藤輪子)もしばらく子育てに専念すると声を震わせながら伝え、「婦人弁護士なんて物珍しいだけで誰も望んでなかったんだ」と主張。「そんなことは…」と否定する寅子の言葉を遮り、「いや、そうなんだ。結婚すれば、弁護士の仕事も家のことも満点を求められる」と涙ぐんだ。志半ばで夢をあきらめた友人たちの思いを背負ってがんばって来た寅子は、むなしさから言葉を失った。

久保田は優秀な弁護士で、女性で初めて法廷に立った先駆者的な存在。そんな彼女が仕事と家庭の両立に苦しみながら弱音を吐く姿に視聴者から大きな反響が寄せられた。X(旧ツイッター)には「毅然としてカッコよかった久保田先輩さえも…」「痛々しい」「家も仕事も完璧になんて無理だよパンクしちゃうよ」などの声がズラリ。また話し方まで“矯正”されたことにも「しゃべり方が…」「めっちゃしおらしくなってる…」などの声が寄せられた。

一方、久保田のモデルと思われる中田正子さんは、昭和20年に夫の実家がある鳥取に疎開後、同25年に鳥取で法律事務所を開業。その後、同県弁護士会会長などを務めていることから、「きっと久保田先輩も鳥取で活躍するはず」とポストする人もいた。