NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第24話が2日、放送され、汚職事件「共亜事件」の黒幕と思われる貴族院議員、水沼淳三郎(森次晃嗣)の悪役ぶりに、視聴者から反響が寄せられた。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く「虎に翼」。主人公の猪爪寅子を女優、伊藤沙莉が演じる。ドラマは第5週「朝雨は女の腕まくり?」(第21〜25話)が放送されており、寅子の父で帝都銀行に勤める直言(岡部たかし)が、政財界の大物を巻き込んだ共亜事件の贈賄容疑で裁判にかけられ、寅子が明律大女子部法科が通うことを決めた際、その場に偶然居合わせた裁判官の桂場等一郎(松山ケンイチ)が判事の1人を務めている。

この日の放送で、直言は取り調べで自白を強要されたことを告白。検察は自白強要を認めず、無罪を勝ち取ることは絶望的と思われたが、取り調べの際、暴れていた直言が自傷しないよう、看守が自らの判断で革手錠を使用したという検察の説明を聞き、「監獄法施行規則第49条」を思い出した寅子が、弁護人の穂高重親(小林薫)に耳打ちした。それは、拘束具の使用には刑務所長の許可が必要であるというもので、穂高は「看守は暴れる被告人を置いて取調室を離れ、所長の許可を得て、手錠を持ってきたのですか?」と矛盾を指摘。これをきっかけに検察の操作方法に批判が高まり、世間の風向きががらりと変わった。

審理が終了し、判決を控えたある日、水沼が裁判所にやってきた。水沼は桂場と階段ですれ違った際、「君のうわさは聞いている。実に有能だそうだね」と声をかけ、「君の正義感を発揮する時は、今ではない」と強調。そのうえで「少し先、それに見合う地位に就いた時だ。悪いようにはしない。約束しよう」と圧力をかけ、その場を去った。

森次といえば、ウルトラシリーズの第3弾「ウルトラセブン」で、ウルトラセブンに変身する主人公、モロボシ・ダン役を演じたことでも知られている。そんな森次が、裁判官を脅すようなキャラクターを演じたことに視聴者も騒然。SNSでは「裁判官も買収しようとするなんて、なんて悪いモロボシ・ダンなんだ」「ウルトラセブンが圧をかけにきた」「正義の味方、モロボシ・ダンが」「何を言ってるんだ!ダン!!」「『悪いようにはしない』って悪者しか言わない」といったコメントが並んだ。