超小型EV購入に補助金、それでも普及は難しいワケ

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 11月9日、一部メディアで「超小型EV(電気自動車)について、経済産業省が購入時の補助金支給を検討」という報道があった。これを受けて、ネット上では「超小型電気自動車が来年(2020年)あたりから、一気に普及するのではないか?」という論調の記事が出回り始めている。

 超小型EVとは、軽自動車と自動二輪車の中間の車両規格として、国土交通省が10年ほど前から検討してきた超小型モビリティを指している。

 今回報道されているように、話の出元が国土交通省ではなく経済産業省となっているのにはわけがある。経済産業省は今年(2019年)8月、「多様なモビリティ普及推進会議」として、超小型モビリティ、電動くるまいす、電動アシスト自転車など、小型の電動移動体に関して産学官による協議を始めた。ここでの話し合いが、今回報道があった購入補助金支給に直接結びついていると考えるのが妥当だ。

異なっていた国と民間の思惑

 超小型モビリティの実用化に向けて、これまでは国土交通省が主体となって全国各地で実証試験を行ってきた。筆者はそれらの現場を取材してきたが、自動車メーカーが開発方針を変えることも多く、その度に担当者から苦しい胸の内を聞いてきた。また、夢破れて開発プロジェクトを中止したベンチャー企業関係者とも、今後の日本における交通のあり方について議論してきた。


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