ニッチ商品にクラウドファンディングはまだ有効

 クラウドファンディングを上手に活用し、後の販路にも繋げるために必要なのは、ごく小規模のニッチ市場を開拓することである。ものすごく大きな穴を掘って、水で満たすのは大変な労力がいるが、小さな穴をいくつも掘り、それぞれを水で満たしていくのはそれほど難しいことではない。そのくらいなら自分でもできると感じるのではないか。

 大量生産大量消費という売り方は労力とコストがかかり、万が一失敗した際のリスクが高い。そうではなく、「メーカー供給にも限度があるプレミアムな製品」、あるいは「ニッチなユーザー層がいる製品」で共感を集め、共感から生まれるコミュニティを形成し、後の販路に繋げていく方がリスクは低く、成功確率は高い。

 そういったこれからの消費にあった製品を投入する場として、プレミアムな製品や目新しい製品への関心が高いユーザーが数多く集まるクラウドファンディングを活用するのが有効な手段と言える。

 ここで一つ成功例を紹介しよう。高品質工芸家具アーティストによる、インテリアにマッチするスマホ用天然木スピーカープロジェクトだ。

 オーダーメイド家具を手がける韓国のデザインスタジオ「STUDIO oll&all」のインテリアグッズである。一つひとつ手作りの量産できないプレミアムな製品であり、木の温かみが感じられる質感のスピーカーは、クラウドファンディング実施時に製品が持つストーリーが共感を呼んだ。

 金額的には大きな成功ではなかったが、プロジェクト実行者の目的は資金調達にはなかった。

 もともと日本人のプロジェクト実行者が商品とメーカーのものづくりの姿勢に共感し、日本でのクラウドファンディングを決めた製品だ。自分の思いに共感してくれたユーザーの温度感やターゲット層が掴めたことで、営業展開への道筋が見えた。