(市岡 繁男:相場研究家)

民間債務比率は日本のバブルと酷似

 日本経済の長期停滞は「失われた30年」とも言われるようになりました。発端は、昭和の終わりから平成にかけてのバブルであり、その処理に失敗したことにあります。

 1986年に162%だった日本の民間債務比率(民間債務総額÷名目国内総生産)は、3年後の1989年には200%の大台を突破しました。不動産向けを中心に銀行はどんどん貸し付けを増やしました。

 ですが、1990年のバブル崩壊に直面してからも、その比率は下がりませんでした。不良債権の増加を糊塗したい銀行が、実質倒産企業の利払い分まで融資したからです。追い貸しです。バブル崩壊後も債務比率が増加したのはこのためです。

 データを見ると、いま似たような動きが見られる国があります。中国です。

 図1のグラフにあるように、中国の民間債務比率の推移はバブル崩壊前後の日本と瓜二つです。


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 2021年秋に巨額の債務を抱える中国の不動産開発大手、中国恒大集団の経営危機が表面化しました。さらに同業他社も同じような苦境にあることが明るみに出ました。こうした実態が隠されていたのは、1990年代の日本と同様に、国有銀行などが問題企業の利払い分まで追い貸しをしていたからではないでしょうか。