1980年代から90年代前半のフジテレビの黄金時代が、私の高校から大学、就職の時期と重なっていて当時から憧れの会社でした。今でも「月9」(毎週月曜日21時台のドラマ)をはじめ、心が揺さぶられるドラマを欠かさず視聴していて、ドラマやバラエティの印象が刻まれています。

 社会人になってから競合企業としてフジテレビを眺めてみると、「先見の明がある」というイメージが強くなりました。

 30年くらい前から「テレビ離れ」が言われ始めていました。それでも民放各局で世帯視聴率20%を超える番組は多く、「テレビ離れ」の実感は大きくなかった記憶があります。

 そういう中で、フジテレビは不動産事業など放送以外の事業を推進して、収益全体に占める割合を拡大させていきました。放送以外で収益を上げること、これは長らく民放の重要課題です。いち早く着手、実行したフジテレビの先見性を私は感じてきました。そして、今回の希望退職も、私見ではありますが先見的で大胆な経営判断だと思いました。

批判の的になりやすい「おじさん」

「働かないおじさん問題」

 昨今、よく目にする言葉です。ろくに仕事もしないで周囲から白眼視されている中高年社員を指しているものです。

 働かない人は「おじさん」だけでなく、年齢、性別に関係ないはずです。それでも「おじさん」が批判の的になりやすいのは絶対数が多いことと、年功序列の恩恵に浴して若者たちよりも給与が高いためでしょう。