今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

 昨年11月、日本プロ野球の歴史に大きな変革が起きた。読売巨人軍の象徴である“YG”のホームロゴが、1954年以来、70年間にわたり愛され続けていたデザインから一新。現代的に洗練されたタイポグラフィーへと変わったのだ。これと同時に“TG”のビジターロゴも、都会的なデザインとなって70年ぶりに復活。両方のデザインを手がけたのがニューヨーク・ヤンキースの“NY”でも知られる、あのティファニー社ということで、このニュースは世界中に向けて報じられた。

 かくして誕生した新ロゴの評判は上々。キャップでもお馴染みのニューエラ社でも売上好調とか。その理由に、独自性を継承しつつ現代的にアップデートされている点が挙げられる。ということで、今回掲げるテーマは“人気スポーツブランドのニューデザイン”である。

 スニーカー業界で尊ばれる革新性というキーワード。ことスポーツブランドとなると、これがより顕著に。ここではナイキ スポーツウェアの最新「エア マックス」を筆頭に、各ブランドが誇る独自のテクノロジーやデザインの系譜に連なりながらも、新たなデザインでさらに進化を遂げたモデルにスポットを当てよう。4月といえば待望のシーズン開幕。見た目も履き心地もフレッシュな足元で、いざプレイボール!

1. NIKE SPORTSWEAR「AIR MAX DN」

“ダイナミック エア”を新採用した次世代「エア マックス」

 ナイキの象徴として知られる独自のクッショニング・テクノロジー“エア”。これを最大限に活用した大名跡「エア マックス」シリーズから、3月26日にリリースされたばかりの最新機種。

 その最大の特徴は、ヒールに新採用された“ダイナミック エア”にあり。4つのウィンドウに内蔵されたチューブ状のエアユニットは、前足部が低めの5psi、かかと部分が15psiと2種類の気圧の組み合わせによって、一歩進むごとにかかとからつま先へのなめらかな動きを体感できるように設計されている。また、アッパーにはシリコンのような質感の素材をプリントすることで、流線形フォルムの近未来的な印象をより際立たす。フューチャリスティックな外貌と新感覚の履き心地が存分に楽しめる本作が、次世代の礎となるか要注目だ。