英政府がオンラインプラットフォーム企業を監督する専門組織を設置したと、ロイターや米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが4月6日に報じた。

グーグルやFBなど監督の「デジタル市場ユニット」

 競争・市場庁(CMA)内に「デジタル市場ユニット(DMU)」と呼ぶ組織を発足。行動規範を整備していくという。政府が規制の対象として念頭に置くのは米グーグルや米フェイスブック(FB)などの大手だ。

 英政府は20年11月に同組織の設置計画を明らかにしていた。サービス内容や個人データの利用法、広告表示などに関し透明性を高めるようプラットフォーム企業に求めるほか、他社サービスを利用しにくくするような行為を禁ずる。また、報道機関などの企業に対し、不公正な契約を強要しないように監督するという。

 オリバー・ダウデン英デジタル・文化・メディア・スポーツ相は声明で、「世界で最も競争の激しい市場を創出するための重要な節目だ。より低料金の新しいデジタルサービス開発への道を開き、消費者の選択の幅を広げる」と述べた。

 これに先立つ20年12月、英政府は「オンライン・ハーム」(オンライン有害情報)と呼ぶデジタル規制法案を公表した。フェイスブックや米ツイッターなどのSNS企業に違法コンテンツの削除や拡散防止を義務付けるもので、違反があった場合は世界売上高の最大10%の罰金を科すという。

 英政府は巨大プラットフォーマーを対象にする反競争行為に関する規制案も策定した。強大な市場支配力を持つ企業を「戦略的市場地位(SMS)」に指定し、法的拘束力のある行動規範を順守させるとしている。

 こちらもグーグルやフェイスブックなどが対象になる見通しで、競争を阻害したと判断すれば最大で世界売上高の10%の罰金を科すよう提案している。19年の売上高を基に算出すると、グーグルに対する制裁金は162億ドル(約1兆7900億円)、フェイスブックは71億ドル(約7830億円)になる見通し。

EU、巨大テック対象のデジタル規制法案

 今回の英政府の新組織発足は、世界で最もテクノロジー大手に対する規制が厳しい欧州連合(EU)の動きに続くものだと、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。

 EUの欧州委員会は20年12月、米国のテクノロジー大手を念頭に置いたデジタル規制法案を公表した。「デジタル市場法」と「デジタルサービス法」の2つからなるもので、20年前に制定した現行法の大幅改正を狙っている。