ましてや、サポーターしている肘は負傷部位とみるならば、負傷の肘でかち上げするのが不思議でならない。

 横審が「横綱にあるまじき振る舞い」「美しくない」などと述べたのは、大相撲の伝統における横綱のあるべき姿に照らしてのことであり、理屈ではない。

 ともあれ、横綱には「品格」が求められている。

 横綱の品格には普段の生活も含まれていようが、土俵に限っても、「土俵入り」をしっかり務めることをはじめ、取り組みや終えた後の礼節などすべてを含めてのことであろう。

 懸賞金を振り上げ、ガッツポーズするなどはもってのほかということである。

 現・武蔵川親方の元横綱・武蔵丸は白鵬のかち上げを「プロレスのエルボースマッシュ」と受け取り、「横綱の品格がない。ああいうことをやる人は負けにした方がいい」(『文藝春秋』2015.4)と語ったことがある。

 小学生や中学生、さらには高校生の相撲に「品格」が感じられるであろうか。闘鶏の姿そのものでしかない。横綱の相撲が闘鶏のようになっていいはずがない。

場所数が増え、けが休場の見直しが必要

 白鵬も破れなかった双葉山の不滅の69連勝は前頭(1936年春場所7日目)から関脇・大関・横綱時代(39年春場所3日目)までの、足掛け4年で達成したものである。年4場所や2場所時代の結果である。

 現在の6場所での最長記録は白鵬の63連勝(2010年1月14日目〜同11月初日)である。ここ数年を見ても、白鵬は優勝と休場を繰り返している。

 白鵬個人の数々の記録は大相撲の歴史上前人未到で今後も破られることなく、絶対唯一的に残り続けるであろうが、綱を張って以降の半分は1年6場所を4場所しかとっていない状況であり、近々3年間は、255日間(1場所は開催されなかったため)中の133日が休場で、半分以下、すなわち3場所も取っていない土俵である。