ようやく対中防衛策の第一歩を踏み出した防衛省

 防衛省が最大射程距離400キロメートル以上の航空機発射型空対艦ミサイルを開発する方針を決定したと報じられている(参考「『相手の射程外から攻撃可能』戦闘機ミサイル開発へ」読売新聞、など)。遅ればせながら、スタンドオフミサイル(敵のミサイルの最大射程圏の外側から敵を攻撃するミサイル)の取得に踏み切るわけである。

 日本は空対艦ミサイル(ASM)のみならず可及的速やかにスタンドオフミサイルを手にしなければならない状況に陥っているのであるから、国防当局の決定は極めて妥当であるといえよう。ただし、スタンドオフ空対艦ミサイルを日本で開発した方が早く手にすることができるのか? 輸入した方が早く手にすることができるのか? という問題は別の論点である。

直視されてこなかった中国海洋戦力の脅威

 スタンドオフASMを手に入れる決定を防衛省が行ったということは、中国海洋戦力が「張子の虎」などではなく深刻な脅威になっていることを公式に認めたということを意味する。

 中国海洋戦力が「虚仮威し(こけおどし)にすぎない」と考えたがる傾向は日本だけでなくアメリカ軍当局者たちの間にも存在していた。

 中国海洋戦力の情報分析を主たる任務にしている米海軍情報局関係者の多くは、すでに10年ほど前から中国海洋戦力(海軍艦艇、空軍航空機、海軍航空機、ミサイル、海軍陸戦隊、海警局巡視船、海上民兵)が強化されている状況を機会あるごとに警告してきた。筆者が属するグループを含めて少なからぬシンクタンクなどでも、中国海洋戦力が自衛隊はもとより米海軍などにとっても極めて深刻な脅威となるとの予測分析を提示し続けきた。

(本コラム2013年12月12日「中国の『張り子の虎』空母が生み出す将来の脅威」、2015年1月29日「『日本の海自にはまだかなわない』謙遜する中国海軍の真意とは?」、2016年1月28日「日米両首脳はなぜ中国の脅威から目を背けるのか」など参照)


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