「イラン軍とは戦いたくない」米軍に渦巻く本音

 いずれせよ、安倍首相のイラン訪問に時を合わせて実施された2件の軍事攻撃事件により、安倍政権が標榜する「平和的解決」など空想に近いというのがイラン周辺の軍事的現実であることが明白になった。つまり、日本とイランの首脳会談はただ実施されただけで、もともと何ら実体的成果は生み出せるはずなどなかったのである。

説得すべき相手が間違っている

 そもそも安倍首相が、イランとアメリカの間の軍事的緊張を緩和させ、ホルムズ海峡周辺での軍事衝突を抑止するための“仲介者”としての役割を本気で果たそうというのならば、面会する相手が間違っている。

 つまり、説得すべき相手はロウハニ大統領でもハメネイ最高指導者でもなく、トランプ政権内の対イラン強硬派であるポンペオ国務長官、ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官、そしてナヴァロ通商製造政策局長官たちであった。

 これらのトランプ側近のシビリアン高官たちには軍事的経験が乏しいという共通点がある。たとえばポンペオ長官は陸軍士官学校卒業後陸軍に勤務したが、在職5年の大尉という初級将校レベルで退役しており、アメリカの基準では軍事的経験が豊富と言うには程遠い。

 彼らには、イランとの軍事衝突の深刻さをアメリカ軍指導部ほどには具体的に捉えていない感が否めない。民主国家では、軍人よりもシビリアンの強硬派が戦争への道筋をつけることが多いという事実を忘れてはならない。

米軍としては避けたい対イラン戦

 もちろんアメリカ軍の主流も対イラン強硬派ではある。だが、それは万一アメリカがイランと戦端を開いた場合にはあらゆる戦力を投入してでも戦いに勝利する、という意味での強硬派であり、「イランとは戦いたくない」というのが軍事常識を身につけた多くの軍事指導者たちの本音である


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