(北村 淳:軍事社会学者)

 中国が海警局の任務を明確化した海警法を施行して、ますます日中尖閣領有権紛争で攻勢に出始めた(本コラム、2021年1月28日「これで日本が何もしなければ『尖閣はもう終わりだ』」参照)。

 それに対して日本政府当局者たちは自民党国防部会において、「尖閣諸島に接近上陸を企てる中国巡視船に、海上保安庁巡視船は危害射撃を加えることができる」と声明したという。

海上法執行機関の兵器使用に関する国際的な常識

 アメリカの沿岸警備隊は軍隊としての性格が強いが、国防総省ではなく国土安全保障省の管轄下に置かれている。国によって違いはあるものの、通常、海上法執行機関の軍事的位置づけは、戦時でない場合、基本的にアメリカ同様に法執行機関として位置づけられている。

 アメリカ沿岸警備隊と同じく、というよりも、それ以上に第2海軍としての性格が強い中国海警局も、中国人民解放軍ではなく中国武装警察部隊の一部隊である。そのため中国海警局は国際的には海上法執行機関と位置づけられており、巡視船の船体もアメリカ沿岸警備隊巡視船と同様に海上法執行船の塗装が施されている。