接種完了予定の自治体数を数えても無意味なのに

 会場となった大手町の合同庁舎には東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の、大阪府立国際会議場には大阪府、兵庫県、京都府の高齢者を受け付けるが、勤務先が両会場の近くにでもないかぎり、あまり便利はよくない。インフルエンザの予防接種のように、自分の病歴などを熟知してくれているかかりつけ医が最適なのであるが、開業医に接種させるという選択肢が考慮されたようには思えない。

 それには、マイナス80℃で管理せねばならないというファイザーのワクチン特性もあるが、医師会と行政が連携すれば不可能ではない。自衛隊に大規模接種を任せることは、自衛隊本来の任務にも支障を来すし、各地の医師会傘下の開業医を使ったほうが遙かに問題が少ない。

 さらには、自治体と自衛隊大規模会場の二重予約防止の措置も十分ではない。防衛省、厚労省、総務省、自治体との連携も上手くとれているとは思えない。省庁間の調整役として河野大臣がいるはずだが、機能していない。まさに、「船頭多くして船山に上る」を地で行く展開である。

 菅首相は、高齢者のワクチン接種を7月末までに完了すると述べ、86%の市区町村が7月末に終了可能と回答したと自慢げに語った。しかし、離島の村も人口93万の世田谷区も同じ1つの自治体と数えても意味がないのである。要は人口で、何人の高齢者が2回の接種を終えることができるかということである。つまり、3600万人の高齢者の何%が7月末に終わるのか、その数字こそが大事なのに、マスコミは大本営発表を垂れ流すだけで、人口比の調査すらしないという無責任さである。