緊急対応がまるでできない政府、その煽りで倒産・廃業も

 すべてが、「遅い」、「不十分」であり、先手必勝の真逆を実行し続けているのが今の政権である。

 昨年春に全国民に一律に給付された10万円の現金支給にしても、遅れに遅れ、しかもインターネットでの受付のほうが混乱するという恥ずかしい状況すら現出したのである。緊急性を要するので、一律に支給したのであるが、それが遅れれば意味がない。

 しかし、その後、飲食店などに休業や営業時間の短縮を要求する代償としての補償金を支払う場合にも、一律支給というこの「手抜き作業」を行い続けた。政府や自治体の財務当局には税務データが完備されているはずである。どうして、そのデータを活用して、たとえばドイツのように昨年度の売り上げの75%を支給するということができなかったのか。役人にとっては、できるだけ仕事は少ないほうがよい。黙っていて税務担当官僚が動くはずはない。行政のトップの座にいる政治家が指示を出すべきなのである。それを怠り続けておいて、「GoToトラベル」、「GoToEat」などの手法に頼るのは間違っている。

 しかも、観光業界、飲食業界などを代表する特定の人物と菅首相は親しい関係を維持しており、彼らの要望は容れてきたのである。それが感染防止対策を意味のないものにしてしまったことは疑いえない。

 度重なる緊急事態宣言の発令で、飲食業や観光業をはじめ、多くの業界が青息吐息である。営業の停止や時短に対する協力金なども不十分だったり、支給が遅かったりしており、廃業の余儀なきに至るケースも多い。

 生活困窮者も今年2月の生活保護の申請件数が1万7424件と6カ月連続の増加である。今、全国で生活保護を受けているのは163万7143世帯であるが、3度目の緊急事態宣言で、今後もさらに増える可能性がある。経済への深刻な打撃への対応についても、落第点である。一方で、中小の店など、協力金バブルで、モラルハザードが起こっている。