「ボーイング737運航停止」に込めた習近平の底意

ボーイング737MAX8型機(2016年7月12日撮影)。(c)ADRIAN DENNIS / AFP〔AFPBB News〕

(右田早希:ジャーナリスト)

 ボーイングは、中国では「波音」と表記する。「波の音」という漢字を、「ボーイン」と読ませ、エキゾチックで美しいイメージを、中国人に与えている。

 ところが、3月11日に中国政府が下した決定は、容赦なかった。この日の午前中、中国民間航空局が、緊急通知を発表したのだ。

世界に先駆けボーイングに「ダメ出し」

<本日18時以降、ボーイング社の「737MAX8型」航空機の商業運行を、一時的に停止する>

 3月10日、エチオピア航空の737MAX8型航空機が墜落し、乗客乗員157人全員が死亡したが、その中に8人の中国人が含まれていた。インドネシアのライオン・エアのこの型の航空機も、昨年10月29日に墜落しており、中国当局はもはや看過できないとして、異例の停止措置に踏み切ったのだ。

 これによって、ボーイング社の株価は、たちまち10%も暴落し、200億ドルが消えた。だが、皮肉なことに中国の航空各社の株価は、「安全性が確保された」として、小幅上昇したのだった。

 調べてみたら、中国が737MAX8型を購入したのは、2017年11月3日に、シアトルで中国国際航空に引き渡されたのが最初である。以来、中国の航空会社は、計96機も購入し、ボーイング社にとって「お得意様」となっている。内訳は、中国南方航空24機、中国国際航空15機、海南航空11機、上海航空11機、アモイ航空10機、山東航空7機、深圳航空5機、中国東方航空3機、祥鵬航空3機、奥凱航空2機、福州航空2機、昆明航空2機、九元航空1機である。

 アメリカと並ぶ航空大国の中国が、先陣を切って「ノー・ボーイング(737MAX8)」を宣言したことで、その後、インドネシア、シンガポール、オーストラリア、イギリス、ドイツ、フランス、ブラジル・・・と世界各国が続いたのだった。


関連記事

おすすめ情報

JBpressの他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

国際・科学 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

国際・科学 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る 動画一覧を見る

記事検索