いつまで続く? イギリスの「EU離脱」迷走劇

英ロンドンの首相官邸から出るテリーザ・メイ首相(2019年3月14日撮影)。(c)ISABEL INFANTES / AFP〔AFPBB News〕

(舛添要一:国際政治学者)

 EU離脱に関するメイ首相の提案をめぐって、今週は、イギリス下院で、3月12日、13日、14日と三日連続で審議、採決が行われた。

 まず、政府が提案したEU離脱協定案が採決にかけられ、賛成242票、反対391票で否決された。149票もの大差である。メイ首相は、前日の11日にEUのユンケル委員長と会談し、アイルランド国境問題について法的拘束力を持つ打開策を講じることで合意したが、その甲斐もなく議会で承認されなかった。

終わりが見えぬ「決められない政治」

 2カ月前の1月15日の採決では、メイ首相の提案するEU離脱案が、202票対432票で否決されており、そのときよりも差は縮まったが、保守党内の離脱派の反対は覆らなかった。その背景には、コックス法務長官が、「政府提案だとイギリスがEUの関税同盟から抜けられない可能性がまだ残る」という見解を表明したことがある。政府の一員でありながら、「法の支配」の原則を守ったこの説明で、保守党の強硬派は反対に回ったという。

 2度目の否決で、3月29日までにEUと合意した形で離脱する可能性はなくなった。

 13日には、議会は、「合意なき離脱」を回避することを、賛成321票、反対278票で支持することに決した。しかし、投票前に、政府案に対して、期限を設けずに今後一切「合意なき離脱」は行わない旨の修正が行われた。

 メイ首相は、「合意なき離脱」が現実のものとなる可能性を残し、それをいわば「脅し」材料として、政府案を承認させる戦略であったが、この手も使えなくなったのである。これだといつまでも延期となり、EUからすれば、「いつまで待てばよいのか」という苛立ちが募ることになる。いかなる離脱案であれ、EU側の承認が必要であり、イギリスだけの自由で決められるものではないからである。


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