原発処理水の問題、大山鳴動して鼠一匹

 前回の寄稿で、福島第一原発の処理水排出問題での韓国の対応は、実際の危険性を誇張し、事実を無視して日本批判を繰り返してきたことを取り上げた。その後、韓国はそれだけ大騒ぎしたにもかかわらず、何ら得ることなく、恥だけかいて、矛を収めざるを得ない状態となったようだ。

 それだけではない。処理水排出に関しての国民感情を極限まで煽ったのに、国際社会は逆に日本の決断を後押しするという結果となった。文政権としては最悪の結果だ。これは「文在寅外交」の大失敗と言っても過言ではないだろう。

(参考記事)やっぱりか、韓国「処理水、影響なし」でも日本攻撃
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64955

福島第一原発の処理水放出は国際的基準に適合した決断

 なにしろ昨年秋の段階で、韓国政府内でも福島第一原発の処理水の海洋放出は「問題なし」との報告書が作成されていたのだ。

 海洋水産部をはじめ韓国部署合同タスクフォースは昨年10月「福島原発汚染水関連現況」という報告書を作成し、専門家の意見として「放射性物質を除去する日本の設備について性能に問題はない」と指摘し、除去できないトリチウムに関しても「海洋放出され、数年後に(韓国の)国内海域に到達しても、移動中に拡散、希釈され、有意味な影響はないと予想される」と結論付けていた。

 今回、日本政府の処理水放出の決定に文在寅政権が盛大に噛みついた直後、この報告書の存在が韓国内でクローズアップされることになった。しかし、韓国政府は「専門家の意見は政府の立場とは異なる」とし、「汚染水」の海洋放出に反対する立場を改めて強調したのだった。

 韓国政府は日韓で解決できない問題は、国際世論に訴えることで日本に圧力をかけることで解決を目指してきた。今回も同じ方法を模索しようとしたのだろう。しかし、今回は逆効果であったようである。